第19話「アンドロイドは出て行け!」

 自らの欠陥に取り乱すユキ。彼女は中条に自らの体内に内蔵された空中元素固定装置が不完全である事を知らされる。ハニーはアンドロイドであり、彼女の完全な空中元素固定装置を手に入れれば命は助かると入れ知恵されたユキは、ハニーをクラスメイトから孤立させるために動き始める。




 こ、これはキツい……! と絶句する展開に。
 これまでの好意の深さが反転したように狂気に走ったユキ。彼女の工作により、ハニーがアンドロイドである事がクラスメイト達に知られてしまう。ハニーがいつもの調子で安易にフラッシュしたり、「ごめんなさいと謝れば許してくれる」「みんなの言う事を聞けば受け入れてくれる」と言う小学生レベルの行動のせいで(いや、どこの年齢でも同じか)、余計ハニーが痛々しく見える。
 勉強も運動もできて自分よりも友達の事を考える天真爛漫なイイコと言うハニーのキャラクターが完全に空回りして浮かび上がる。全員に頭を下げてごめんなさい。挙句に土下座とか、見ていて本当に心が痛くなってくる。
 クラスメイトの沈黙と対応が、それをさらに引き立てている。
 まず無視。これが一番痛い。誰も何も言わない。どんなに強い奴だってこれは効くと、椎葉周『アンジェリック・ノワール』にも書いてあったなぁ。  
 そして誰もいないクラス。黒板にはデカデカと「アンドロイドは出て行け!」。
 机が無い代わりに、ネジがたっぷり詰まったお弁当箱。これでも食ってろって、これは本気でキツイ。挙句の果てに存在否定され、ハニーはどん底。さらにユキがハニーに対して持っている感情を知れば、さらなるどん底が待っているのだろう。
 友達だったはずの夏子にまで去られてしまった。賑やかなハニーだっただけに、これは大きな衝撃だった。夏子には、是非諦めないで友情を保って欲しいところ。 




 さて衝撃と言えば、やはりユキか。ミキ相手にも黒かったユキだったが、中条(女人格)に入れ知恵された結果、ハニーを「アンドロイド」「自分のスペアパーツ」扱いである。
 ハニーを策略にハメて、それが決まったとなると浮かべるニヤリとした笑みが内面の黒さを雄弁に物語る。本人が美少女なだけに、それも倍増だ。
 今はまだ、「自分が側にいる」なんてハニーの耳障りのいい事を言っているが、いずれ暴露するのだろうなぁ。欲しいのはお前の中の完全な空中元素固定装置だけでお前なんて要らないんだよとか、お前はアンドロイドだから壊したって問題ないだろう、だとか。普通にあのまま、パンサークローに走るような気もする……。意外とミキがユキを排除するのかも知れないが。 
 そういえば、ハニーは完全なアンドロイドで、ミキとユキは人間だったのか。三人ともアンドロイドだと思っていたので意外だった。
 次回はホームレスの人々が全力を挙げて存在肯定しているようだ
 何とまぁ、むやみやたらと心強いなwwwww