#18「悪意の矛先」

 トリニティによる介入行動は七度に及んでいた。徹底して施設を叩くその姿勢に、三国間にも緊張が走る。しかし刹那達は、彼らのやり方に疑問を感じていた。




 刹那、ガンダムを完全否定!
 三機のガンダムスローネを「紛争幇助対象」と見なしたって一機で斬りかかっていく――その姿に自分の中の男の子が燃え上がる! いいぞせっちゃん! もっとやれ(誰だ)!




 予告の通り、刹那がガンダムを否定する。刹那が肯定するガンダムとは、やはりOガンダムの姿なのだろう。「戦場」に現れ、高みから「戦争」と言う悪を断じ「人々を救う」神のような存在。歪んだ世界、歪んだ人。それらの中にあって、ガンダムだけは歪まず高みにあり続ける。
 しかしスローネは違う。戦場でも無い平和な世界にビームを撃ちこみ、撃たれるいわれの無い一般市民を虐殺する。救うべき人々を無視して一方的に介入する姿は、むしろ憎むべき無差別テロと変わりない。
 もちろん刹那達も同じ殺戮を行っているが、彼らは一般市民をなるたけ殺さないようにしている。もちろん偽善と言われれば偽善だが、それでも笑って虐殺するトリニティ組よりはまだマシとさえ言える。
 スローネサイドの悪辣ぶりを表現するために、そして刹那の介入行動に説得力を与えるために、彼らの行動はかなりひどく描かれた今回。
 特にネーナのそれは恐ろしい。
「こっちは仕事で疲れてるのにあっちが楽しくパーティーしているのがムカツク」
 と言うとんでもない理由で、戦争幇助もしていない一般市民相手を大虐殺。
 その被害を受けたルイスは、命は拾ったものの両親親類全員死亡。左手も失い、失意のどん底に。




 こんな介入に憤りを感じているのは刹那達だけではない。我らがグラハム・エーカーも、
そんな道理、私の無理でこじあける!
と単独出撃。
 フラッグファイターの誇りをかけて、カスタムフラッグを駆り、修羅となってスローネアインをぶった切る! 相変わらず炸裂するグラハム節が、こんなに格好良く聞こえた事があっただろうか。いや、ない(笑)。




 ともかく今回のエピソードで、同じガンダムですら紛争を幇助する対象となりえると言う事が描かれた。同じガンダムマイスターに対し戦いを挑む刹那。次回のエピソードでは、ロックオンの両親の命を奪ったテロの実行犯が刹那だった(?)と言う事が分かり、銃を向けるようだ。
ガンダム」と「ガンダムマイスター」は果たして、戦争根絶の成り手足りえるのか。否定されるべき、肯定されるべき「ガンダム」とは何か? そういう疑問を呈し、次回へ続く。

 


 ソレスタルビーイングの逆鱗に触れたと戦々恐々の世界。しかし内実は違いガッタガタ。いきなり現れたトリニティらに揺さぶられ、どこもかしこも混乱中。  
 理想を体現したガンダムは虐殺のための兵器に。それを運用すべきガンダムマイスターは人格破綻者揃い。計画の中枢であり、「完全」だった量子演算装置ヴェーダは、外部からハッキングや改竄にさらされ、その言葉にも亀裂が入ってしまった。
 おまけに、「ラグナ」という別のヴェーダのような存在も示唆され、もはやソレスタルビーイングは完全に分かたれてしまった。
 ヴェーダなしでは完全な計画遂行は不可能であるが、そのヴェーダ自体が外部からの干渉を受けているのではもはや信頼する事は出来ない。
 やはりヴェーダからの独立……か?  
 だが王留美を初め、「世界が変わるなら何でもいい」と、トリニティ達のやり方を認めてしまう方向に流れていきそうだ。
 前回のスローネ強襲から、ソレスタルビーイングの非道な組織としての一面がクローズアップされてきたが、今回も秘密を知ってしまった軍人が暗殺され、軍内部、そしてソレスタルビーイング内部の裏切り者の存在が表面化してきた。
 刹那達はこれを理由に「ソレルタルビーイング自体が紛争幇助対象」と見なし、独立して戦う方向にも持っていけるのか……と妄想。




 ……そう言えば、今更ながら気がついた。第二期OPに、コーラサワーいないwwwww