第7話「天守物語 三の幕」

 隣町にやって来た図書之助と富姫の二人は、たわいない町の風景の中にあった。図書之助は富姫と共に生きようと告げるが、乳母によって二人は白鷺城に連れ戻されてしまう。
 以下感想。



 図書之助は「限られた時間(寿命)の中で大切なものを与える自信がある」と富姫と共に生きたいと告げ、富姫もそれを一度は受け入れる。しかし富姫が攻撃してしまった侍女が死んだ事で、図書之助か、忘れ神かどちらかを選ばなければならなくなる。主である富姫が人間に近づくと言う事は、眷属である他の忘れ神も同じように人間に近づいていく事と同義故に。
 まさしく姫は断腸の思いで忘れ神を選び図書之助を城から追い出し、図書之助もまた同じような思いで城を出る。どうしようもない二人が分かれれば、当然別の女が……と言う定石通りに彼を待っていたお静と祝言を上げる。
 されど、図書之助の思いが未だ富姫にあると知った彼女は、殿様に直訴。それが白鷺城を攻め落とす事になってしまう。
 それを知った図書之助は遺髪を残して再び白鷺城の富姫の下へ。添い遂げられないなら死ぬとまで言った図書之助と富姫はようやく結ばれる。
 しかし城は兵士達にすでに囲まれ、戦が始まる。そしてその中には、お静の姿もあった。




 ようやく、ようやくここまで来たかと感無量。富姫が自分の溢れる感情を「恋」と理解する件は、お約束ながらじんときましたよ。しかし、お静の嫉妬は馬鹿殿の勘違いで城攻めにまで発展し、ついには人間対忘れ神の全面戦争に発展する。
 馬鹿殿達は退く気配は無く、いよいよどちらかが死ぬまで戦うしかなくなる中、人間である図書之助と忘れ神である富姫はどうなっていくのだろうか。どちらかの死によって戦を止めるとか、もうそういう流れでもなさそうだし……。
 それにつけても一番気になるのは、漁夫の利を狙うモノノケ連中ですけど(笑)。
 次回、ついに大詰め。