第6話「天守物語 二の幕」

 藩は現在危機に瀕しており、鷹を取り戻さねば図書之助は切腹せねばならない。鷹を探し再び白鷺城へ向かう図書之助であったが、忘れ神達に捕らえられてしまう。
 以下感想。  


 今回のエピソードのメインは、図書之助と富姫の二人が結ばれた事。
 二人が出会うきっかけとなった鷹は富姫の母の魂の成れの果てだった。かつて富姫達の住んでいた森の聖地に迷い込んできた落ち武者。その人間を観察していくうちに男に心を傾け、男に会いに人の姿になって人里に下りた富姫の母。しかし彼女の力で人の世を治めた男に富姫の母親は捨てられた。戻る事も行く所も無く人の姿のまま死んでいった。
 そんな母親の過去と、忘れ神であるが故に甘いと言う味覚も、人の姿をしている意味も分からず、孤独に震える富姫。彼女を置いて城から出る事ができず、ついに富姫を抱きしめ、結ばれた二人。
 そこからの、異なる男女二人が結ばれた時の、あの甘すぎるくらいの甘い会話にこちらが逆に恥ずかしくて悶死しそうになる。

「貴方のために花を咲かせてみたくなった」
「人の里に生まれ図書之助の腕の中で見つめられ、それだけでよかった」

 等等、聞くだにぐらぐらする愛の交歓。
 交わってもなお、二人の距離の遠さを感じる富姫のために、城から連れ出し、隣町へ向かう図書之助。次回は一度は結ばれた二人が、改めて距離の遠さに気がつく、そんな展開になっていくのだろうか。
 図書之助の恋人のお静が二人が抱き合っている所を目撃し、城では乳母が図書之助を殺すようにも命令している。富姫自身侍女を攻撃してしまっているし、二人が結ばれる道があるとしても、その道程は遠く険しい。




 今回あたら美味しい所を持っていったのは、モノノケの二匹である奇々丸と怪々丸(二人合わせて奇々怪々)。
 白鷺城の財宝目当てで図書之助について行く二人が、忘れ神に囲まれせめて図書之助だけでも逃がそうとする姿はお約束でありながらちょっとジンとさせる感動を呼ぶ。……多分(ぇ)。
 そのくせちゃっかり生きているんだからこいつらはホントにズルイなぁ(笑)。