『灼眼のシャナII』第14話「永遠の恋人」
悠二の中の零時迷子についてマージョリーが調べるが、正体不明の自在法が絡みついて戒禁を変質させている、と言う事しか分からず、逆に謎だけが増えてしまう。
吉田はフィレスを清秋祭に誘い、同じ一人の男性に恋する女性として、互いに理解しようと試みる。
さぁ盛り上がってまいりました(挨拶)!
原作既読組として分かっていた事なれど、やはり映像で見るのと読むのとではまた違った興奮が。
そして、次回はあの史菜の正体が明らかに!
今作において多くの視聴中止者を生んだ日常ラブコメパートの原因と呼べる史菜の正体はアニメオリジナルの最大の謎だったので、それがこんなに早く解禁になるとは意外や意外。
でも前半の日常ラブコメパートの存在がシャナと、何より吉田さんが見せた今回の強さにつながっているのだし、原作既読組(と言うか自分)の視聴継続の動機にもなっているので、個人的に彼女の存在は必要不可欠だったのだと思います。
まぁ前にも言った言葉ですが、シリーズ構成の下に原案協力に「作者本人」の名前があるのは非常に心強い、と言う事です。
ここから感想。
今回のテーマは「今」ある大切なもの。そしてあったもの。
悠二の中の零時迷子、の中にいるヨーハンを求めるフィレス。フレイムヘイズと紅世の徒と言う世界の本当の事の当事者達の中にぽつんと立つ吉田さん。
フィレスに「どうしてただの人間がここにいるのか」「ここから出ていくべき」と言われれば当然「ここにいるべきなのか?」と言う疑問は拭いきれない。
されどこんな事では今の吉田さんは挫けない。同じライバルであり同士でもあるシャナの声援も受け、フィレスを「同じ一人の男性を想う女性」として理解してもらおうと清秋祭に誘う。
果たして試みは成功し、フィレスは悠二を破壊するのを諦めてくれた……とはいかなかった。
元々そこにいたフィレスは探査の自在法・風の転輪で作り出した分身であり、本体が確実にヨーハンを奪取するための情報収集をしていたのだった。
人間をやめてまでフィレスと永遠にいる事を誓ったヨーハン。フィレスがかつてヨーハンと過ごした時間は彼女に取って変えがたいものであり、それを『銀』だの小娘だのに邪魔される云われは無い、と言うのが偽りなき彼女の本音。
存在の力を分けてもらった時に悠二をわざと突き飛ばした事や、黒い発言もその証左。そも悠二なんて零時迷子=ヨーハンに比べれば何処吹く風。卵のカラみたいに、割られる事が前提に在る存在なのでしょう。
こちらから取り出せないのならヨーハンの方から〜とフィレスの呼びかけに応えて現れたのはヨーハンでは無く銀の腕!
謎の自在式が『銀』なのか、ならば『銀』とは何なのか? と謎が謎呼ぶ衝撃的な結末に。
一方、封絶内部で死んだものの、直してもらった真竹と清秋祭を楽しむ田中。
失った彼女の存在の大きさを知り、大切にしようとする田中。しかしその反面、マージョリーに対してはどうしてもぎこちなくなってしまう。
真竹を失った事で、逆にその存在の大切さを知って大切にしようとする田中。逆にもうマージョリーを「姐さん」と呼んで憧れていた頃にはもう戻れない。
その感情に折り合いをつけて、田中はマージョリー達を援護できるのか。
佐藤は逆に腹をくくって、マージョリーについていく、と決めたようですが。むしろ悠二が事態の渦中にあればあるほど、彼の対抗心も燃えていくのかも知れませんが。
とにかく乖離していくマージョリー組の心理関係は悠二達と同じくらい興味深い。一体どこまで描いていくのか楽しみです。
次回は大きくストーリーが動く予感? どうせ二十四話しかないんだから、視聴中止組も改めて戻ってみればいいと思い……まぁ、余計なお世話なんでしょうけど。