『ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-』第14話「盟友 -違えし未来-」

 オストルムを退けたISDAはDプロジェクトの決行を早め、宇宙船アヴニールで月への打ち上げの時を待っていた。トアを助けるために火星に向かおうとするジンに、ライナはドラゴノーツへ誘う。




 主戦場を地球外に移すための、タメだった今回のエピソードで、ライナとジンの父親(カミシナ・エイジ)の関係が描かれる。
 元は同じ宇宙飛行士だった二人。しかしライナが後輩で、エイジを尊敬していた。ドラゴノーツにライナを推薦したのもエイジであり、最初は渋っていたライナもエイジの死をきっかけに「自分の可能性」を試すためにドラゴノーツに入隊する。
 エイジから教わった「自分の信じる道を進むのが男」と言う言葉を伝えて、火星に向かうジンを送り出すライナ。エイジ→ライナ→ジンと、一人だったジンを見守る人がいる。ISDAやジルアード軍から逃げ回るだけだったが、いまでは帰ってくる場所まである。
 いわばライナがジンの父親(と言うか兄?)的なポジション。
 そしてそのライナの尊敬する先輩だったエイジそのものの性格のハウリングスター。ライナのレゾナンスがマスターの無意識を投影するものであり、ライナの心にエイジがいかに強く根付いているのかが分かる。声優さんが同じ杉田智和氏なのもそれを強く象徴している。巧いキャスティング(笑)。
 しかしハウリングスターは単純馬鹿だが、エイジがそうだったのか、ライナがそう思っていたのか、ある意味気になるところ。




 ライナ、ジークリンデ達と道を違える事になったアキラ達。
 使役され、場合によっては隔離され廃棄されるだけの人間とドラゴンの関係の新たな可能性を求めてジン達について行く事を決める。そんなアキラを責めるジークリンデが仲間想いの良い子でちょっと泣ける。
 公式HPのジークリンデのインタビューで、

まあ、周りが出来の悪い連中ばかりだから、この私が面倒見てあげないといけないっていうのもあるけど

 なんて言っている子なので(笑)。
 何だか期せずして苦労してばかりの子だが、これからアマデウスと共に少しでも幸福な方向へ向かって欲しいもの。




 さて、幸福だとか不幸だとか言うと、今回のカズキは不幸のどん底と言うか……。ある意味、自業自得な面もあるのだが。
 明らかにドラゴンだとか何だとか、そういう存在を超えた姿のウィドーを駆って、ジンとギオを狙うカズキ。もはや友情は無く、ジンを殺す事しか頭に無い。自分のせいでシャトルのレールが壊れたのに、ジンに責任をなすりつける。
 されどマキナのおかげでレールは助かり、カズキは爆発の中に消えてしまった。まさかこれでカズキの出番が終わりだとは思わないが、あの状況ではサイボーグにでもならないと復活できないだろうw
 ウィドーがギオみたく助けてくれるのかもしれませんが……。これからはジンを追って独りで襲撃してくるか、ジルアード軍に入るか、それともタナトス側に与するか。はたまたサカキの下で暗殺とかやっても似合う。
 ……あれ? ISDAにいるよりも逆に選択肢の多くなって変な魅力を発しているのはなぜだ(苦笑)?




 それぞれの別れをすませ、ジン達はいよいよ火星へ。