『獣拳戦隊ゲキレンジャー』修行その40「頭、バカーン!衝撃の事実」

 キノコ狩りの途中でスウグと出会ったジャンは普通の幻獣拳使いようにゾワゾワではない親しみを感じる。スウグの正体はゴウ、美希、理央三人の兄弟子であるダン。彼こそが理央が唯一敗北を喫した拳士・白虎の男。そしてジャンの父親だった。




 理央とダンの過去。キメラ拳スウグの正体と、ジャンと理央の宿命がさらに明確になったエピソード。
 白虎の男・ダンをライバル視し、勝負を挑み続けていた理央。理央はゴウを下し臨獣拳を再興してその拳を学び、ついにダンを倒した。しかしダンは傷を負った状態で、しかも自分の息子が理央を倒すと告げて息絶えてしまう。理央とダンとの戦いは理央と「正しき者」との戦いにシフトしたまま終わってしまった。
 そして倒れたダンの激気魂は(おそらく)ロンの手により、スウグとして利用される。
 これまで戦ってきたジャンと理央。しかしジャンにとって、激獣拳を学ぶ事はみんなを守ってニキニキになると言う事だった。しかし、父親から続く戦いの宿命を背負う事になってしまったジャン。
 ラン、レツ、ゴウ、ケン、美希、なつめ。仲間達の家族に憧れたジャンの前にやっと現れた家族が敵であり、業になってしまう。
 個人の欲望のためではなく、他者を守るための正義の拳法・激獣拳を学ぶジャン。しかし理央と父の仇を討つために戦う事は、個人の欲望を通す臨獣拳。ひいてはそれを肯定し力とした理央と同じ存在になってしまう。
 ジャンに必要なのは、幻獣王となった理央と戦うために今までと同じジャンとして戦う事のはず。
 そういえば「敵討ちのために戦う」と言う構図はマスター・シャーフー達がブルーサ・イーの敵討ちのために三拳魔と戦った構図と同じ。次回はそういうジャンの心情の変化と、拳聖達の不闘の誓いが明かされたりするのか。




 メレに続いて幻獣王となった理央。臨獣ライオン拳→幻獣グリフォン拳に変化。グリフォンはライオンにワシの頭を持つ幻獣。ライオンに翼がつくという、実に分かりやすく、そして説得力のあるパワーアップ。全身金色になり、翼を模した優雅なパーツが追加された姿はまさに幻獣王の名に相応しい。
 その上、四幻将を従えたその姿は、悪役のみに許されたアウトローの魅力が炸裂している。
 って言うか金色って普通、正義側のカラーではないでしょうか(笑)。あの五人がどこかで人類のために戦っていると言われたら、思わず納得してしまいそうだ。
 しかしダン、理央、ジャンの三人を巻き込んだ陰謀は、おそらくロンの企て。「理央が闇討ち……」と言うのも、ロンが理央に化けてした事でしょう。ダンの激気魂をスウグに、メレを四幻将の一人にして、理央を幻獣王に仕立て上げるロンの目論みは。ストレートに考えるなら、神話のように龍が頂点に立つ事なんでしょうが……。




 次回はジャン、ゲキレンンジャー脱退の危機!