最終話「ヤサコとイサコ」
イサコを救出するため、金沢から大黒市へと向かうヤサコ。しかしヤサコを狙って、猫目の攻撃が始まっていた。
ヤサコはイサコを救うため、彼女とリンクする。
終わった。まさに傑作。おそらく十年、二十年と褪せない傑作の誕生。でもきっと、メジャーにはならないんだろうなぁ……(コラァッ)。
それにしても、スタッフさんがラストだからか物凄く豪華になっていたような……?
正直、あと十回ぐらい見直さないとちゃんとした感想を書けないような気もしますが、されど某プロデューサーのようにライブ感を大事にする、と言う意味を込めて今書いてみます(使い方違う)。
怒涛の勢いで明らかになる様々な謎。
「あっち」側の正体。ヤサコを連れて歩いたヌルキャリアー。ヤサコ父の意外な正体。猫目とタケルの復讐の結末。ミチコさん。ヤサコとイサコ。
- 「あっち」側とは、兄の死を受け入れられなかったイサコの心理治療のためにオジジが作ったイサコの空間。
変質してしまったその空間にヌルキャリアーを使って入り込んだオジジは、しかし大人であったため適切に使用できず、死んでなお電脳空間の中を彷徨っていた。デンスケに導かれて迷い込んだヤサコによりオジジは自らを思い出し、デンスケに鍵をする(まったくの余談ながらこの時ヤサコの「オジジは死んだよ。ポックリー」は爆笑もの)。
- 実はコイル電脳探偵局の会員番号一番だったヤサコ父。
メガマスの内部監査を請け負っていた。メガマス内部にもコイルス派が残っていて、彼らは猫目を通じてイマーゴを軸にメガマスを脅迫しようとしていた。
- イサコを狙う猫目の暗号。
かつてキラバグ集めを始めた玉子をそそのかしたのは彼の仕業だったのだ。執念が支える復讐の道を行く猫目。しかし彼を止めたのは弟であるタケルだった。彼らの父が集合無意識を電脳空間化する技術は「人の心を治す為に作られた」のだから。父から貰ったパスワードで猫目のメガネを破壊するタケル。父は猫目の暴走を死の前に予見していたのだろうか。
- ミチコさん。
これまで限りない恐怖と謎の満ちた存在。大人にならなくていい、いつまでも女の子のままでいられる場所へ、と誘う。彼女は、ヤサコのキスとイサコの悲しみの子ども。集合無意識を電脳化した世界からイリーガルが感情を拾い上げていたように、ヤサコとイサコの初恋の具現。二人で作り出した存在だった。
- ミチコさんに囚われるイサコに必死で呼びかけるのはヤサコ。
外の世界は痛みと苦しみに満ちている。しかし、
「痛みを恐れない勇ましい心を持っているのがイサコ」だと。
ヤサコがそうしたように、イサコも走った。「痛みの感じる方向に」。
二人の心はつながってる。見失いそうになる細い道で。
二人は卒業して、別々の道を行く。しかし二人は同じ道で迷った仲間だった。見えないもので、二人は確かに繋がっている。
ああ、まさにED『空の欠片』そのものだ。
いつでも どんなときも
道は続いている
指電話で会話する二人は、考えようによっては手と手を握り合っているように感じられる。
ああ、そうなのだ。まさにそんな感じだ。
初恋の痛みを振り切って、イサコとヤサコは性別を超えた愛で結ばれたのだ。
最終話の感想をぶち壊しにするようで悪いが、しかしあえて言おう。はっきり言おう。
「キスするかと思ったッ!!!」
おっけ。これもライブ感。例え二人がガチなゆりんゆりんになっても、受け入れる準備はとっくの昔に出来ているッ。
デンスケは消えた。しかし、ヤサコと京子の目には確かに見えた。そして京子ははっきりとうなずいた。
なぜ京子だったのだろう。
それは、ヤサコはもうデンスケと「さよなら」したからに他ならない。ヤサコ母に言われたように、触れないものなんかじゃない。確かに存在するものとして向き合い、触れ合って別れを告げたからだ。もうヤサコの物語は終わりを告げる。ある意味、幼年期の終わり、みたいな感じでしょうか。
私服で自由だった小学校だった時とは違い、制服と言う規則に縛られれるヤサコだが、京子は未だ自由であり続けるのだろう。
そしてここでもあえて言おう。
フミエのセーラー服は、ディ・モールト良しッッ!!!
学ランのダイチには違う意味で鼻血ものですが。ガチャギリとか、『電脳コイル』の男子はみんなかわいい。
でもハラケンが「初恋」とか言うと、不思議とエロいんですが(死ネ)。
ついに最終話を迎えた『電脳コイル』は、前述した通り傑作で、どれだけ時間が経っても色褪せない特別な作品にの地位を確立。もうそれだけでいいというか、語るは野暮、と言った感じさえする。散々エロだのゆりんゆりんだの言っておいて何だそれはと言った感じですが(苦笑)。
次週から再放送。正月からスペシャル番組。ノベライズ、DVDとまだまだヤサコとイサコ、二人の『電脳コイル』は終わらない。
しかして、一端アニメは終了。こんな良作を世に送り出してくれてありがとうございました。スタッフ・キャストのみなさま、おつかれさまでした!