『獣拳戦隊ゲキレンジャー』修行その34「ゴワンゴワンのダインダイン!獣拳巨神、見参」

 燃えさかる獣源郷を前にしたゲキレンジャー突きつけられるもう一つの事実。カタが命の雫を搾り上げる巨大な岩・慟哭丸。それはマクに破れた七拳聖を一つにこねあげて作られた岩だった。
 七拳聖を助けるために、ゲキレンジャーはカタに挑む!




考えるな、感じるんだ!」 
燃えよドラゴン』のごとく燃えるゲキレンジャー達。
 ジャン、ラン、レツ、ゴウはマスター・シャーフー達七拳聖を助けるためにカタと、ゴウはブルーサ・イーと同じライノセラス拳を振るいながらサイダインの下でラゲクと戦う。
 しかしさすがは道を究めし拳魔の一角、過激気・紫激気・激気研鑽と、かつての十拳士に勝るとも劣らぬものを手に入れたゲキレンジャーであってもカタやラゲクにはかなわない。カタやラゲクのリンギに翻弄され、絶体絶命のピンチ。
 危機の中のゲキレンジャー達を助けたのは、師匠から弟子へ、受け継がれていくつながりの強さ。
 ブルーサ・イーからマスター・シャーフーへ。マスター・シャーフーからゲキレンジャーへ受け継がれた「考えるな、感じるんだ!」と言う強さの教えが窮地を打破する力になる。




 個人の強さで終わる臨獣拳とは違う、激獣拳のつながりの強さ。
 そしてそのつながりに弟子達が答え、ジャンが、ケンが一時とは言え拳魔をも上回る力の源となる。臨気を感じ取るジャン体がカタを捉え、あのケンの修行放棄と思われた行動すら、自らの感じたまま、「獣源郷を離れる事で強くなる」と言う誓いだった。
 つながりは流派の枠を越え、サイダインの拳士の力を引き出す力、獣力開花はゲキレンジャーばかりか理央、メレにも及ぶ。獣拳創始者から見れば、激・臨の境など最初からあってないようなものなのかもしれない。
 かつてブルーサ・イーを暗殺した弟子の一人であるカタをその激気魂が宿るサイダイオーが倒したのは、最後のロボ登場という意味合いのほかに、巡りめぐって師匠が弟子を諌めたとも捉える事ができる。
 ブルーサ・イーは暗殺された事件から獣拳は二つに分かれ、争いあう事になった。しかし、師匠から弟子へ受け継がれるつながりは、実は今なお切れていないのかもしれない。




 現れた獣拳巨神・サイダイオーは、相変わらず『ゲキレン』スタッフの誰かがやりそうでやらない非凡なネーミングセンスの塊! 「犀」に「最大」「最強」とか思う存分サイ尽くし!
 でもディフェンスモードの顔がダイボイジャーとか思ったのは勘弁してください。




 次回はついに獣拳史上最強の男(理央はあくまで「長い臨獣殿の歴史の中でも傑出した力を持つ拳士」)大地の拳魔マクとゲキレンジャーの対決! 七拳聖の命の雫を搾り取るという暴虐の面と、カタの最後に「そうか、逝ったか……」と妙に渋い声で言ってのける深い哀しみを垣間見せ、妙に魅力を増したマクの生死は?
 そしていよいよ、ロンが動く? 
 



 その他作品の感想は、また後で……。