野奇夜『DARKER THAN BLACK -黒の契約者- VOL.1』
DARKER THAN BLACK 第1巻―黒の契約者 (あすかコミックスDX)
- 作者: BONES,岡村天斎,野奇夜
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/08/25
- メディア: コミック
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岡村天斎監督自身がコメントで、
「黒…女子高生には優しくしてほしい!」(俺の希望)
とツッコミを入れたように、コミック版のヘイガールは女子高生! ヒャッホゥ!
でも銀がいないよ! ヒャッホゥッ。
でも幼女はいるよ! ヒャッホゥ!!
……頭の悪い感想は、このくらいにして(ぇ)。
ストーリーはアニメとは別物です。あるいは、銀がチームに入る前なのかもしれませんが。
父を何者かに殺害された女子高生、師能奏。彼女は死んだはずの父親が街を歩いているのを見つけ、父親の行方を調べはじめる。その最中、彼女は契約者同士の戦闘を目撃してしまう。
黒がアンバーを追っているのではなく、謎の組織「ウィーゲンリート」と、そのメンバーの一人、ムジークという男を追って、活動をしています。
その過程で接触した奏の父親は契約者として、ウィーゲンリートのエージェントになっており、第一巻では、黒と彼女の父親との戦いとその結末がメインになっています。
契約者はもはや人間ではない。人間的精神、道徳性を失った彼らは、例え妻であっても冷徹に交渉のカードに使い、邪魔をするなら殺してみせる。
奏の目の前の二人の契約者。
家族としての温かい記憶を持ちながら、すでに人外とも言える精神構造を持つ父。
同じ契約者でありながら奏の身を案じ、また「父親が人殺し」であるという言わなくてもいい情報をあえて伏せていたと言う黒。
二人のギャップに混乱しながらも、父を「止める」べく父の前に立つ。
最後まで自分でやる、と決意したものの、結局、父親の命を絶ったのは黒。最後まで、奏は黒に押しつける事しかできなかった……。
そう涙する奏を、黒は「お前は悪くない」と抱きしめる。
『ダーカー』らしい救いの無く、しかしどこか温かさの余韻を感じさせるラストになっています。そして、次巻に向けての伏線として、あのノーベンバー11が来日……!
ウィーゲンリートのリーダー、クラングと、そのドール叶音の謎と、基本的にはアニメと同様に前後編で構成されているようです。
ヘイガールが女子高生(読者層を意識?)。銀、アンバーが登場しない(黒に近い女性を避けた?)。黒と奏とが過度の接触と、アニメと比較すると独自色の強さを感じさせますが、根底に流れるやるせなさ。人と契約者の差異と、そのせいで生まれる悲劇などはしっかりと描かれています。
また、黒と奏の間に立つキャラクターとしての役割が強いせいで、猫がすっかりギャグキャラにwwww
女子高生に翻弄されガードマンに。挙句、引っつかまれて黒の携帯電話の番号を教えるはめになったりと、漫画でも十分退屈しない人生を歩んでいるようです。
「男の子だから家まで送っていって」なんて言われて戸惑う猫が、無性に可愛らしいのです。