宮村優子×磯光雄『電脳コイル2』

電脳コイル 2 (2) (TOKUMA NOVELS Edge)

電脳コイル 2 (2) (TOKUMA NOVELS Edge)

 読書マラソン3・五十八冊目。
電脳コイル』小説版第二弾。
 アニメの第5話「メタバグ争奪バスツアー」と第6話「赤いオートマトン」を下敷きに、小説独自の路線を走った一冊です。  
 以下感想。
 今回では、イサコがバスの墓場でサッチーを倒して見せる事で黒客クラブを乗っ取った事。そしてハラケンの二つが主軸になっています。
 特にハラケンは、アニメとは違い同じコイル探偵局の一員でありながらも、独自の立場をとっています。
 また、タマコが登場。
 彼女と、猫目を含む四人がメガネの試作品のモニターとなった事。コイル探偵局の№一〜四の初期メンバーだった事。
 そしてミチコ絡みの、大きな事件を引き起こしてしまった事が、彼女がサッチーを率いる原因であるようです。
 また、メガネを作っている会社=メガマス社がそのメガネの存在を危うくするサッチーを作っている、と言う矛盾も明らかに。




 小説だけあって、今回はフミエとダイチの関係がもうウハウハ。
 ダイチのリーダーとしての素質や、オヤジをイサコから助けるためにあえて泥をかぶって見せるなど、男を見せます。フミエ側の描写とも相まって、もはや夫婦の様相を呈しております。




 小説版ではメガネは十三歳までの子どもしか使えないと言う設定があり、ヤサコ達の使用期限は残り一年。この制限時間と、それぞれが失ったものに対する執着、諸々の感情と相まって独特の魅力を形成しています。




 第三巻は十月発売予定!