第八夜「月光に乙女はささやく」

 神が遺したフィルムから、白鈴會の社にダムの底に沈んだ神楽村の文字を発見する隼人。骸骨男による被害者がまたも現れ、恐怖を増す大伴市。
 そして骸骨男は、ついに黒潮の前にも現れる。




 サブタイトルの割りに、登場したのは男(しかも中年)ばかりと言う印象を受けた。いや、そんな事はどうでもいいんだけど。
 この由来は、真耶の語った民話かな?




 後半へ向かって、どんどん新たな伏線が浮上してきた。というより、これまで語れらてきた点が線でつながりはじめた、と言った方が正しいか。
 大伴市を取り仕切る黒潮の前に、骸骨男が現れる。麗奈達が力技を見せつけ、骸骨男はリチャード三世を引用してみせる。暴力的かつ知的なファーストコンタクトは迫力十分だ。
 しかし、骸骨男は黒潮にガ號計画を警告し、中止するように言うだけでその姿を消す。
 黒潮は神楽辰男の姿を語る息子、神代と思っていたようだが、肝心の神代は軍部の人間とクーデターを策謀している。
 やはり立木からガ號計画を聞いた、神崎芳生が骸骨男なのか。
 芳生が従軍神父として南ア戦争に従軍していた事。
 立木の目的が麗奈であった事。
 そして麗奈達が神埼達によって改造された(?)ロストナンバーであり、これは前回ヴォグートが言った言葉ともリンクする。
 南ア戦争と言うキーワードで、生物兵器絡みの様々なキャラクターと伏線がつながってきた。




 そして、その起源とも言えるのが神楽村の遺跡だったらしい。終戦間際、軍部の介入が噂されるも真偽は不明。
 さらに神楽家の人間は「狐憑き」の家系であったとも噂されていた。
 神楽製薬と国軍が共同行っていたのがガ號計画が、生物兵器としての異形を作り出す技術であった事は疑う余地は無い。
 と言う事は、この「狐憑き」と言うのは生物兵器となる特異なDNAの基盤であり、遺跡はその技術か何かが残されていたのかもしれない。ダムの底に沈められたのは、この技術を隠匿するためか。
 そして白鈴會の教祖である黒潮の妻は、鈴と言う「音」を使って信者を異形に変化させている。この音と言うファクターも、人間の可聴外の音で異形を操る「神の音」につながる。
 黒潮達と白鈴會はつながっている?




 現在の歴史とは違う歴史を歩んでいた事がこれまでも明らかになっていたが、今回はさらに顕著になった。陰謀の暗い雰囲気が、歴史と言う時代の大きな流れに乗せられ、独特の魅力を発揮していた。
仮面ライダー』しかり、原作『スカルマン』しかり、この暗い雰囲気は石ノ森作品っぽくて好き。




 今回もシリアスとギャグの比率が抜群で非常にバランス感覚に優れた作品だと思う。刑事とか。特に立木のキャラクターが。まさに狸親父っ。