浜崎達也『.hack//G.U. Vol.2 境界のMMO』

 読書マラソン3・五十二冊目。
 以下感想。
 前回、アトリがAIDAに連れ去られると同時に、ゲーム内でもログアウト不可能になると言う異常事態になり……。




 アトリを救うと同時に、ハセヲにも救いが見出される、と言うストーリー。
 また、万匠屋ファイルを順番どおりに読みすすめていくうちに、前作主人公カイトの戦いに希望を見出し、エンデュランスの再生、アトリの帰還などを経験していくうちに、段々人に対して心を開いていきます。




 パイとイェーツのリアルとの対話、などの浜崎達也ならではのイベントも。
 二人の会話の中で印象的なのは、「自分は何者なのか」と言ういわば自分探しよりも「自分は何が出来るのか」と言う問題。
 ゲームの中で命やプライドをかけるハセヲ達キャラクターの命題につながっている命題です。
 それを踏まえて、リアルのハセヲがパイの胸で泣く、と言うイベントを考えると、ただただがむしゃらに戦うだけでもいけない。
 しっかり悲しんで心の澱を吐き出す事も、自分がやるべき仕事。普通なら「恥」としか思えない感情であったとしても。
 それを使用する事は不可欠な事だと言う事実を実感させます。




 今回最大の驚きはクーンとオーヴァンとの接触
 ヒーローになりたかったクーンだと言うのに、前作ではジークとして未帰還者になってしまい、今回、碑文使いとして大きな力を手に入れたにも関わらず、プロジェクトG.U.でも道具扱い。
 そんな彼をオーヴァンはお得意の話術で誑かして……。変わらず怪しいオーヴァン。果たして、クーンの運命は!? 
 と言う感じで続く! ドコドン!