『ロミオ×ジュリエット』第14幕「重責〜この腕の中で〜」

 ウィリアムの母親の別荘がある街で身を隠し、再起を図るジュリエット達。ロミオはモンタギューの逆鱗に触れ、グラディスカ鉱山へと追放されてしまう。




ロミオとジュリエットが二人で生きていける世界」。
 その実現の志を同じくする二人なれど、障害なのはいかなんともしがたい運命と言う名の現実の壁。ジュリエットは身内の、ロミオにはもう一つのネオ・ヴェローナと言う試練が襲いかかる。
 鉱山の採掘量を二倍にする、と言う事実上の追放扱いを受けたロミオ。父に立ち向かうためにその試練に真正面から挑むものの、やる事は自分で労働。
 確かにそういう視点からのアプローチも大切だが、ロミオに求められているのはそういう類のものでは……。しかし、結局役人達からも厄介者扱いされているので、そうは変わらないが。労働者からも「貴族の気まぐれ」と冷たい目で四面楚歌。
 しかし、そんな労働者の中の一人ペトルーキオと仲良くなるも、鉱山の過酷な状況では死はあっさりとやってくる。隔離棟で弟妹達の望みを叶える事をロミオに託し、冷たく死んでいってしまう。




 自分の体一つで戦っても、世界は何も変わらない。無常の慟哭の中で、ロミオはこれからどう戦っていくのか。ジュリエットが赤い旋風の身代わりとして死んでいったランスロットの死を背負ったように、ロミオもペトルーキオと言う少年の死を背負う事となる。
 ロミオとジュリエットにはもう迷いはなく、同じものを背負い、あとはどういう方法で戦っていくか、と言う事だけになった。
 今後ロミオは鉱山を変えていく事は出来るのか。ネオ・ヴェローナのもう一つの現実を変えていく事は、果たして。




 ウィリアムのナレーションで、前半の情報が簡単に説明された。決して結ばれない運命の二人がどうやって結ばれるのかとは、まさにこちらが気になる最大の問題。
 ウィリアムはこちらで、ハッピーエンドの『ロミオとジュリエット』を書く事はできるのか!?