『劇場版ポケットモンスターダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ』

 前売り券も購入し、がっつり観に行って来ました。
 平日を選んだので、お子様の数が少なくて快適でした。でも「子どもがどこで反応するか」とか「何にウケるか」とかはお子様の数が多いほどいいので、悩みどころか(何しに行ってる)。




 平日だからか、ちらほら大きなお友達の姿も。劇場で受け取れるダークライ目当てか、DS持ってきてました。
 まったく、いい年した大人が、情けないなっ(がっつりDSを背もたれの上にかかげながら)!
 送られてきたダークライは、「おだやかなせいかく」で「まけずぎらいな」ヤツでした。もう、どんな性格でもダークライは萌えるね!




 ポケモン映画10周年と言うだけあって、パンフレットにもこれまでの映画の舞台がカントージョウトホウエンシンオウ各地方でどこに位置するか分かる地図が掲載されていました。
 ゲームは赤・緑から。映画は一作目から観てきただけに、こういうのを公式でやってくれると嬉しいです。




 ポケモンとまったく関係ないのですが『ゲキレンジャー』『電王』の映画の未視聴予告が観れた事はよかった。ほんとにゲキレンジャーと理央とメレが激闘場でモーショントレースしてたー(嬉)!! 
 あと、『ドラえもん』の新作三作目の予告も。
 三作目は完全オリジナルの『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』。登場するのがキー坊とあって今から楽しみ。




 以下ネタバレ感想。
 いづことも知れぬ異次元空間で出会い、死闘を繰り広げるディアルガパルキア。その死闘の影響はサトシ一行が訪れた街アラモスタウンにも及んでいた。
 その頃、街に起こる異常に呼応するようにダークライが出現し始める。




 さすがに10周年記念作品だけあって、ストーリー、キャラクター等、すべてが高レベルでよかった。

 


 今回の主役は、何と言ってもダークライ
 戦いの末傷つき、アラモスタウン周辺の空間に異常を引き起こしてディアルガの目から身を潜めていたパルキア。そのパルキアを追ってアラモスタウンに降り立つディアルガ
 ディアルガパルキア。神同士の戦いはまさに「天災」。
 人知を超えた戦いの中で、しかし街を守るためにたった独り戦うダークライがかっこいいのなんの!




 眠っている人間やポケモンに悪夢を見せるとくせいナイトメアのせいで人間からもポケモンからも忌み嫌われ、挙句街に起こった異常の原因をすべて押し付けられながらも、唯一街にいる事を許してくれた少女アリシアと、その孫であるアリスのためにその身を削って戦い続ける。



 その姿は、スパイダーマンバットマンなどの、アメコミヒーローの孤独にも似て悲哀。
 ディアルガパルキア二体の攻撃をその身に受け消滅した――と思いきや。ラストで哀悼の意を表したサトシ達が振り返ると――。




 ゲストのポケモンを主役に押し上げた今回は『ミュウツーの逆襲』に匹敵する面白さだったと思います。
 ミュウツーが自分の存在意義=居場所を探す物語なら、今回はその居場所を命をかけて守る、そういう類の戦いの物語でした。
 しかもその戦う理由が、自分ひとりのためではなく、「みんなの庭」であるアラモスタウンに住むみんなのために、と言うところが泣かせる。




 スペインの聖家族教会、ロンダの街、アルハンブラ宮殿、様々なガウディの建造物をモチーフにした「人間とポケモンが共存する街」と言うコンセプトに説得力を持たせる美術。
 サトシ達やポケモン達が遊ぶ映像が、ダークライの戦う動機をさらに強めていました。




 今回山ちゃん(山寺宏一南海キャンディーズの男の方は「南海さん」が『おはスタ』のルール)出演のアルベルト男爵がギャグキャラとして最上級でもう笑った笑った。
 ベロベルトとアルベルトで、確信犯的ネーミングかーっ(笑)!




 ストーリーも気球が撃墜! 落下! 螺旋階段が消滅! 音盤がはまらない! 電力が足りない! と最後の最後までハラハラさせてくれる演出続きで、心臓バクバクもの。
 



 今回、一番度肝を抜かれたのはグレッグル
 OPでのゴウカザルとのバトルシーンの鮮やかさもさる事ながら、ディアルガが放ったりゅうせいぐんの一つを見事に真正面から破壊するその迫力!
 タケシのツッコミ役に、ヤンキー座りしているだけであの抜群の存在感。グレッグル……恐ろしい蛙ッ!




 今回、三日月の羽=クレセリアダークライの因縁ネタも使っちゃって、次回以降は何が登場するのかなーと思ったら、次回はどうやらレジギガス登場のようです。




 毎年恒例のEDでの演出なども素晴らしいもので、ポケモン映画10周年に相応しい傑作だったと思います。




*何となく追記。




 ディアルガパルキアが戦っている異次元空間ですが、技が炸裂するたびに、大量のアンノーンが逃げ回っているんですね。
 ディアルガパルキア二体で時空=宇宙を象徴しているんですが、そういうポケモン達が争う異次元空間内部に言語そのものであるシンボルポケモンアンノーンが存在している事が、裏にある壮大な設定を(自分の脳内のみ)で想起させます。
 ポケモン世界では、「初めに言葉ありき」ではなく「初めに世界ありき」。
 しかして、世界を変えるのはダークライが示したように心なのだ、と言う世界観。
 シンオウ地方内のポケモン神話でも心は世界創造の後で生み出されたものでしたが。こういう神話の設定をいつかまとめて欲しいなぁ。