早瀬マサト『小説 仮面ライダーEVE(2) 哀哭編』

小説仮面ライダーEVE〈2〉哀哭篇 (KCピース)

小説仮面ライダーEVE〈2〉哀哭篇 (KCピース)

 読書マラソン3・四十六冊目。
仮面ライダーEVE』最終巻。もしくは、『仮面ライダーガイア』第一巻。十一人ライダー全員集合でクライマックス!
 以下感想。
 純の前に現れた父とネコ怪人。父もまた、純を探す過程でショッカーに連れ去られ改造人間にされていたのだった。しかし父は完全に脳改造され、ショッカー再興のために純をショッカーへと誘う……。



 父親の登場で、純自体にも大きな転機が訪れる。
 純と父、彼らはショッカー首領の「器」となるために改造された特殊な改造人間だった。しかし、父とネコ怪人の間には子どもが生まれており、改造人間の純粋種として生まれた赤ん坊、「蜻蛉の少年」にショッカー首領が乗り移り、キングダークなどの歴代首領と再生怪人と共に東京を大襲撃!



 力を奪われた純は現れた十人ライダー達によって力を補ってもらい、ショッカー首領を倒す。しかし、純の生死は杳として知れない。もし彼が生きていると言う事は、それは同時にショッカー首領も生きている事でもあり……。



 ラストは、仮面ライダーの存在意義に帰着しました。悪の組織は仮面ライダーでなければ倒せない。しかし、悪の組織がいなくなってしまえば 仮面ライダー自体が脅威となる。
 ある意味虚無感に苛まれる十人ライダー。しかし、純が生きて帰ってくると言う事は、ショッカー首領を人間らしい心で押さえ込んでいると言う証左。
 絶望の中で一握りの希望がある、『仮面ライダー』らしいラストでした。



 作中に、「融合係数」や「仲の悪いライダー」。『おみやさん』など平成の石ノ森作品ネタを散りばめ、中々面白いネタも。