早瀬マサト『小説 仮面ライダーEVE(2) 哀哭編』
- 作者: 早瀬マサト,石ノ森章太郎,紺野直幸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『仮面ライダーEVE』最終巻。もしくは、『仮面ライダーガイア』第一巻。十一人ライダー全員集合でクライマックス!
以下感想。
純の前に現れた父とネコ怪人。父もまた、純を探す過程でショッカーに連れ去られ改造人間にされていたのだった。しかし父は完全に脳改造され、ショッカー再興のために純をショッカーへと誘う……。
父親の登場で、純自体にも大きな転機が訪れる。
純と父、彼らはショッカー首領の「器」となるために改造された特殊な改造人間だった。しかし、父とネコ怪人の間には子どもが生まれており、改造人間の純粋種として生まれた赤ん坊、「蜻蛉の少年」にショッカー首領が乗り移り、キングダークなどの歴代首領と再生怪人と共に東京を大襲撃!
力を奪われた純は現れた十人ライダー達によって力を補ってもらい、ショッカー首領を倒す。しかし、純の生死は杳として知れない。もし彼が生きていると言う事は、それは同時にショッカー首領も生きている事でもあり……。
ラストは、仮面ライダーの存在意義に帰着しました。悪の組織は仮面ライダーでなければ倒せない。しかし、悪の組織がいなくなってしまえば 仮面ライダー自体が脅威となる。
ある意味虚無感に苛まれる十人ライダー。しかし、純が生きて帰ってくると言う事は、ショッカー首領を人間らしい心で押さえ込んでいると言う証左。
絶望の中で一握りの希望がある、『仮面ライダー』らしいラストでした。
作中に、「融合係数」や「仲の悪いライダー」。『おみやさん』など平成の石ノ森作品ネタを散りばめ、中々面白いネタも。