『獣拳戦隊ゲキレンジャー』修行その18「シャッキンキーン!身体、強い」

 ドカリヤのリンギにより操られたゲキシャーク。あわやの危機を救ったのは、バット・リーとエレハン・キンポー。シャッキーが心配だからと様子を見に来てくれたのだ。
 マスター・シャーフーと美希も加わり、青鮫島での臨海学校をシャーフーは提案する。



 そうか、「ゴロゴロ」って「ご機嫌」か! 猫科がのどを「ゴロゴロ」鳴らす=ご機嫌からゴロゴロ。前回のジャン語をようやく理解。
 ジャン語って身体感覚を言語化してるからその意味を理解するのは難しいんですが、自分が小さかったら、やっぱり感覚的に理解したり、使用できちゃうんだろうな。無理矢理理屈だって考える必要なんてないんだろうな。
 嗚呼……自分は醜い大人になってしまった……。



 それはともかく。



 今回は「弟子が証明する師匠の教え」がテーマだったように思います。
 ドカリヤの真の狙いはラゲクの愛を受け入れなかったシャーフーを狙う事。そのためにおそらく、一番拳聖として若く、他の拳聖からも心配されているシャッキーを狙ったのでしょう。ゲキシャークを奪うわ、美希さんの体に入るわ、ジャンにも入るとドカリヤ大活躍!



 ラゲクの「嫉妬」の教えを忠実に体現する(よくよく考えればただの横恋慕)ドカリヤ。しかしそのドカリヤを、「体が強い事が素晴らしい」と言うシャッキーの教えで打ち破ったジャンが熱い!
「シャッキーは自分の師匠として相応しい!」とジャンがまさに体を張って証明した形になる。
「体を鍛えるだけではいけない」と、どれほど他の拳聖達がシャッキーの事を疑っていても、自分の長所を認めてくれた師匠を共に修行した弟子として、最後まで師匠を信じ、その教えを持って勝利すると言う王道的師弟愛。



 ここに、嫉妬を煽るだけ煽って後は使い捨てのラゲクの非常な師弟愛との対比がある。獣人も道半ばで倒れた古代の拳士であり、それぞれに設定があるけれど、拳魔つきの獣人達はどの設定が特に際立っていて面白い。



 今回、エレハンとバット・リーはこちらがそこまでせずとも、と思うくらいにシャッキーを疑い、実際に拘束までしてしまう。それはエレハンの発言からも分かるように、かつての拳魔達の裏切りが拳聖達の中で深いトラウマになっている事に起因するようです。
 さらに、激臨の大乱で拳魔達を封印して獣の姿に変わってからこれまで、彼らは不死だったはず。
 永遠に変わらない先輩後輩の関係で、エレハン達も「シャッキーは拳聖として未熟」と言う固定観念もあったのでしょう。
 しかし今回ジャンがシャッキーの教えを身をもって証明する事で、弟子だけではなく師匠すら成長する、と言う成長ストーリーとしての幅がぐんと広がっていきました。
 永遠に変わらない師匠達ですが、弟子を通じてどんどんその内面も変化させていくんですね。



 美希さんの生身アクション、ゲキセイバー、巨大戦と、今週も盛りだくさんに充実していました。
 特に美希さんの生身アクションがここで来るとは! キャリアウーマン、母親、拳士と、属性が充実している美希さんですねー(笑)。 



 巨大戦は、前回アヤのついたゲキシャークトージャが登場!
 鮫そのものの頭部で違和感があったゲキシャークトージャでしたが、今回の水中戦ではただ正面から見ただけでは分からない、抜群の説得力と魅力がありました。



 考えてみれば、獣拳は「ケモノを心に感じケモノの力を手にする拳法」なので、それを極めていけばいくほど獣のラインに近づいていった方がその説得力があるわけで。
 ゲキエレファントージャ→ゲキバットージャ→ゲキシャークトージャと、「武装」していく姿から獣そのもののラインに近づいていってますね。
 ちゃんとゲキシャークトージャのシルエットのラインを考えた決めポーズで、さすがよく考えているなぁと感じました。
 それにしても、水中戦まで実況に来るバエって……(笑)。お前、水圧とか大丈夫なの?!



 一方、臨獣拳側では、ラゲクの嫉妬の教えを理央が拒否。自分の獲物を横取りされる焦りならともかく、自らは「世界で一番強い」のだから、嫉妬なんて意味が無いと言う理屈。
 しかし、そんな理央にも絶対に赦せないもの、それが「白い虎」……。
 理央の幼少期のトラウマビジョンにあった虎は、理央に何らかの影響を与えているようですが。もしかしたら、理央も「虎の子」になる可能性があったかもしれませんー。
  


 次回はついに理央と対決! おまけに激獣拳側の残りのゴリラ、ペンギン、ガゼルの三拳聖達も総登場!
 だって言うのに、次回がお休みってどういうわけだァッ(涙)!!