長谷敏司『円環少女(5) 魔導師たちの迷宮』

円環少女(サークリットガール)〈5〉魔導師たちの迷宮 (角川スニーカー文庫)

　読書マラソン3・三十七冊目。
『円環少女』シリーズ、『ザ・スニーカー』で連載決定おめでとうございますっ！
　正直色々な意味で難しいシリーズだと思っていましたが（どういう意味だ）、『され竜』が許されるならある意味すべて許されるのでしょう。
　時代は今、サドロリを求めていると言う確実な証左とも言えるでしょう（最低）！
　以下感想。
　前巻でワイズマン達により核爆弾を奪取され、きずな、瑞希まで連れ去られると言う事態に陥ってからの続き。
　今回は「恐怖」と言うテーマで、様々なキャラクター達が無慈悲な現実に立ち向かいます。
　特にテロリストである国城田の心理は読者側を惹き込んでくる者があり、彼と共にかつて学生運動の端っこに身を投じていた寒川父達と言う、ある意味もっとも関係ない人々までくっきりと浮かび上がらせていきます。
　果たしてすべて彼の言うように、「ゆるせる」事はできるのか。

　そして、メイゼルが狙撃され瀕死であり、《教会》との取引にしたがって《公館》を裏切る事になってしまった仁。
　彼が向かう地下迷宮には、かつての聖騎士エレオノールやかつての刻印魔導師達の子孫である「日本国籍を持った」非戦闘員達。
　同僚達からも狙われ、ある意味崖っぷちながら「ヒーローのようなもの」を目指す仁はどうなるのか。
　前巻同様、非常に気になる所で終了した事もあり、続編が待たれるところです。