『ロミオ×ジュリエット』第5幕「旋風(かぜ)〜燃ゆる覚悟〜」

 ロミオに想いを寄せていくジュリエット。しかし町では赤い旋風をおびき出すために、戒厳令に引き続き食料を封鎖する。



 ジュリエットを押し倒したロミオは、リューバのいななきのせいで正気に返って(笑)離れました。このヘタレめ(ぇ)!
 だがしかし、ベストタイミングとも言わねばならぬ。焦らしおって!
 再会をそれぞれ誓い合っているところが憎い。
 それにしても、この時のロミオの鎖骨の影に反応してしまった自分は何ですか、駄目ですか。



 ロミオへの恋心を加速させるのは、やはりウィリアム。彼の言葉にハンカチにアイリスを刺繍するなど幸せなジュリエットが一転、赤い旋風狩りの現実と自分の立場で現実に引き戻される落差にやられた。
 牢に閉じ込められた上で火あぶりって……! 分かっているとは言え、キツイなぁ。
 一方で、弱さを盾に貴族に取り入り罪も無い市民を売って食料を手に入れる神父達のような民衆と、毅然と未来のために自ら赤い旋風に扮し飛び込んでいくランスロットの雄姿に泣いた。
 子ども達とネオ・ヴェローナの未来のために、その唯一の希望であるジュリエットを守るその決意……!
 このシーンで藤原啓治氏の演技はもう反則としか言いようがない。



 ランスロットの自己犠牲的行動がクローズアップされていますが、むしろランスロットの子ども達とジュリエットが対比されている事も個人的には注目したいところ。
 ランスロットの視点から見れば子ども達もジュリエットも庇護されるべき存在であり「のびのびと育って欲しい」対象にも関わらず、ジュリエットにはもはや恋すら許されない不自由さ。
 むしろ打倒モンタギュー家のためには、そんなものは士気を下げる要因にしかならず……。
 すでに自らの行動のせいで民衆が否応なしに巻き込まれていくこの状況で、ジュリエットはどうなっていくのか。