岩永亮太郎『Pumpkin Scissors(7)』

Pumpkin Scissors(7) (KCデラックス)

Pumpkin Scissors(7) (KCデラックス)

 原作『パンプキン・シザーズ』最新刊。
 前巻で2課の暗号を偶然発見してしまった事で、3課は拘束、アリスとランデルの二人は半強制的に2課のヴィッターと合同任務に。
 地理的条件から諜報員が無数に存在する街カルッセルに向かう。



 まずは舞台であるカルッセルの異常さの表現が素晴らしかった。何よりその象徴となる装甲列車のプレッシャーが!
 守る側と守られる側が明確に決まってしまった事で生まれる支配と被支配の残酷な関係性に縛られる住人達。
 そこにがっつんと楔を打ち込むアリスとランデルが熱い!



 そしてその熱さと対照的なヴィッター。
 今章のテーマの一つでもある「アリスのランデルへの意識」に対応させるように、彼の急所とも言うべき女性フランシアとの関係性の重要性なども見逃せないポイントです。



 また、書き下ろしでは2課による3課の調査が始まったりと、今後のストーリーにも深く関わってくるような展開も。
 アリスの姉であるエリス(次女)とその夫の関係に新たな進展が!? とギャグの方も抜かりなし。マムシーッ?!