清家未森『身代わり伯爵の冒険』

身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫)

身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫)

 読書マラソン3・三十四冊目。
 以下感想。
 なるほど、これは確かに『読者支持率No.1!!』『読者審査員絶賛!!』も納得の作品。


 パン屋の看板娘であり、近所の男の子には負けなしのファミーユ。彼女に告げられた驚愕の事実は、実は彼女が王族の子どもであったという事だった。そして王族の父の元に養子に行った兄フレデリックが行方不明になり、彼の身代わりになれと頼まれたところから物語が始まる。



 普通こういうのは女性として王宮に登る、と言うのが王道ですが、ここは兄の身代わり、つまり男装するところがポイント。しかし編に捻った作品であるかと思いきや、そこはそれ。
 いきなり始まった王宮の生活とのギャップや、貴族達の流儀に傷ついて涙するファミーユを助ける青年リヒャルトとの恋、兄が行方不明になった事件の真相。ラストはドレスアップしての舞踏会など、実に王道を往くストーリーになっています。
 ファミーユの持つ少女小説主人公的雑草魂(笑)が、ある意味全てと言える作品でした。