藤子・F・不二雄『大長編ドラえもん VOL.2 のび太の宇宙開拓史』

 もうすぐ新ドラ映画第二作も公開されるので、原作の方の第二作を購入してみました。実は大長編の中では一番好きな話で、密かに映画化を期待していた作品でした。


のび太がスーパーマンになって大活躍」
「ラストは悪役と銃の早撃ちで決闘」


と、大長編になると活躍するのび太の中でも、一・二を争うほど格好いい役どころを与えられていて、是非こんなシーンを大スクリーンで観たかったのですが。
 

しかしよくよく読んでみると、
開拓惑星に存在する鉱石の権益を手に入れるために、警察さえも手を出せない悪徳大企業が大量殺人である事を承知の上で惑星破壊までやってしまうと言う、色々な意味で危ない作品でした。
 

 いや、その、世相的に?
 これに類するエピソードはすでに本編でも放送されていたので、実質お蔵入りとなったのかも知れません。


 それにしても、それなりの年齢に達してこそ分かるのび太の凄さ。
 つくづくこれには驚かされます。
 のび太は学校の成績こそ悪いものの、推測力と言うか、発想が冴え渡っている一種の天才である事が分かります。


 空き地を占拠した野球の練習をしている中学生達の
「野球は中学生達の命であり、空き地しか練習する場所が無い」
「野球部ではないので学校のグラウンドでは練習できない」
「野球部には入れてくれない」

 と言うたったこれだけの情報から、中学生達が最も言われたくない
「野球は大好きなのに下手くそで(野球部に)入れてもらえない」
と言う結論を導き出すのです!

 
 中学生達が素行不良であるとか、他にも色々理由は考えようはあるだろうに、ピンポイントで最も言われたくない言葉にたどりつくその閃きが凄い。


 公開される『魔界大冒険』はストーリー的にも負けず劣らず色々面白い作品なので、観に行こうかと思います。
大人になったからこそ、ドラえもんですよ(ぇー)!