『009-1』Misson:6「ポップ Pop」

 今回の主人公はミレーヌと言うより、新米時代のミレーヌを助けた老スパイ、アイアンハートでした。


 どんなに絵を描いても、写真のような模写しか描けないアイアンハート。イーストの秘密研究所に侵入した中、彼が見つけたのは人体実験によって死亡したミュータントの子ども達が描いた絵。いかにも子どもらしい自由な線と色で描かれたそれに、心揺らいだアイアンハート。
「感情を抑制する事がスパイ」とミレーヌに教えた彼がその絵に感情を揺り動かされた時、彼がスパイとしての資格を失った。
 自ら奪った技術とイーストからの刺客と共に爆発の中に消える……。


 自らの恩師的な存在のアイアンハートの命を奪わざるを得なかったミレーヌもさる事ながら、アイアンハートらおっさんどもが熱かった!
 あえてアイアンハートに薬を渡して逃亡を見逃す秘密研究所のDr.グリーン。
 死んでいくミュータントの子ども達に何らかの感慨を抱いていたのか……。お咎めなしで終わった彼が、闇の中に消えていくのが印象的。もう、彼は研究に手を染める事は無いんだろうなぁ。
 何より、秘密研究所の所長の声が若本規夫さん! 平成009アニメシリーズでスカールを演じた彼が声優です! ああっイーストブロックに確実にブラックゴーストの影が(笑)!


 アイアンハート(鉄の心)と色づく絵。写真のような模写と子どもの感性溢れる絵。そして爆発のコード「ポップ」と、ここでも石ノ森作品らしい言葉遊びが。
 作画クオリティも大きく落ちる事もなく、ほんとに面白い作品です。


 追記。
 このエピソードの元になったのって、もしかして「芸術は爆発だ」からなんでしょうか(笑)。絵と爆弾と通じるじる要素はありますが。