夢野久作『少女地獄』
- 作者: 夢野久作
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1976/11/29
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 85回
- この商品を含むブログ (107件) を見る
読書マラソン2もいよいよ終了、な感想。
記念すべき百冊目。
以下感想。
表題作『少女地獄』含む短編三本で構成されています。
誰でも好意を抱かせる天才的看護婦姫草ユリ子。その秘密は、彼女の病的なまでの虚言壁にあった。次々と嘘をつき、その嘘を成立させるために嘘をつき、さらに嘘をつき……。
と、無限増殖する虚言世界を成立させるために、最後には自殺した姫草ユリ子。
しかしその自殺も、ほんとうは嘘だったのかも知れず、どこかで生きているのかもしれない疑惑を生み……。
何とも不気味で、ぞくぞくする話でした。
他の短編は、男の根源的命題である「童貞」「死んでも構わないと言う強がり」に深く切り込んだ怪作揃いでした。