夢野久作『少女地獄』

少女地獄 (角川文庫)

少女地獄 (角川文庫)

 読書マラソン2・百冊目。
 読書マラソン2もいよいよ終了、な感想。
 記念すべき百冊目。
以下感想。
 表題作『少女地獄』含む短編三本で構成されています。


 誰でも好意を抱かせる天才的看護婦姫草ユリ子。その秘密は、彼女の病的なまでの虚言壁にあった。次々と嘘をつき、その嘘を成立させるために嘘をつき、さらに嘘をつき……。
 と、無限増殖する虚言世界を成立させるために、最後には自殺した姫草ユリ子。
 しかしその自殺も、ほんとうは嘘だったのかも知れず、どこかで生きているのかもしれない疑惑を生み……。
 何とも不気味で、ぞくぞくする話でした。


 他の短編は、男の根源的命題である「童貞」「死んでも構わないと言う強がり」に深く切り込んだ怪作揃いでした。