第9話「復讐の鎧」

 ツルギの過去が明かされる今回。今回も密度の濃いドラマが展開されてます。
 元はウルトラマンだったツルギは、高度な知生体の惑星を科学者として観察していた。しかし襲来したボガールによって知生体は絶滅。何も守れなかった事を悔やむツルギにまとわりついた知生体たちの怨念が鎧となり、ツルギが誕生した……。
 さらにボガールの次の標的である地球に向かい、ディノゾールに向かって特攻したセリザワ元隊長の体をツルギが無断借用して、今に至ると。
 面白いのは、「何も守れなかった」ツルギが第1話のリュウと同じセリフを使ってるところ。
 今回セリザワ元隊長がツルギだと知って苦悩するリュウは、「俺達の翼」たる新GUYSメンバーに救われ、奮起し立ち直った事に対し、ツルギは知性体たちの怨念(と言いつつ、ツルギの個人的解釈のようだけど)に突き動かされ復讐の道をひた走っている。
 ツルギが復讐の鎧を脱ぎ捨て、ウルトラマンとしてのレジストコードを手に入れる救いの日は果たして来るのか。でも、本人が「時間が無い」って発言してるしなぁ。もしかしたら、鎧のせいで寿命が削られたりしてるのか。もうそれ、奇跡じゃなくて呪いの鎧だし!
 そして前回メビウスが倒したと思われていたボガールは生きていた!
 爆発の瞬間、ジョージの動体視力すら誤魔化す高速で脱皮して難を逃れたボガール。明らかになった悪い事実は、怪獣を食べるほど体内にエネルギーを蓄積し、歩く火薬庫状態であるという事。呼び出したグドンツインテールを美味しくいただき、さらに脱皮してボガールモンスへパワーアップ。もうミクラスの電撃攻撃も通じない!
 ほとんど無敵怪獣と化しているボガール。倒せそうだけど倒せない、このジレンマを抜け出す作戦は次回に持ち越し。
以下箇条書き。

  • 観察者

惑星を科学者として観察って……マックス? 本人があれだけ苦悩していたことから、観察者としての本分から惑星を守る事ができなかったのか……。

良い子の皆は真似しちゃいけないよガラの悪さ対決。とりあえず、コノミを突き飛ばした事は赦さんぞリュウミクラス、出番だッ(ヲイ)!

  • サコミズ隊長

もうこの人の静かなる圧力がたまらないよ。ツルギと対等に渡り合い、リュウを導くその器量。まさに隊長の鑑のような人。やはり、この人がゾフィー

  • トリヤマ補佐官

きた、補佐官の「サリーゴー」! 結構気合入ってるところからも、普段のギャグとのギャップがいい。あれ、この人こんなにかっこよかった(コラ)?

  • 怪獣大決戦

ボガールによって呼び寄せられたのはグドンツインテール。宿命の食物連鎖対決は、ボガールが二匹とも食べて決着。大自然って厳しいなぁ。
それにしても、今回の怪獣戦闘はまさに神の出来。
グドンツインテールの壮絶な戦い。グドンの触椀攻撃に、ツインテールストンピングしたところを見たら、もう血が滾って滾って。さらにボガールスープレックス(!)で興奮は最高潮。そこからまたワンダバでリアライズするミクラスがもう素敵素敵! しかも強いの!
一話で怪獣が五匹も登場って、凄い贅沢だなぁ。しかも全員激しいアクションつきで。まだ1クールなのに、どんどん飛ばす『メビウス』は素晴らしい。泡を吹いて意識がオチる怪獣って初めて見た(笑)。

二人の巨人の剣戟。いつかやると思ったけどついにやってくれた。スピーディーなんだけど技はタメるメビウスと、重厚な感じなんだけど技を出すのは早いツルギのアクションも好対照。それにしてもまったくの不意打ちに光線技使うツルギはほんと鬼。

  • 中の人の好演

それにしても、ボガールの満腹で腹をさする仕草や、ミクラスのビビり具合、ウルトラマンアクションといい、スーツアクターさんの演技がハイレベルでした。怪我には気をつけてー!


次回はついにボガールとの決戦? メビウスとツルギの同時変身も見所!