第7話「ファントンの落し物」

 ウルトラシリーズお家芸の一話完結スタイルの楽しいエピソード。
 その中でもしっかり、食糧危機問題と言う他人事では無い問題や、ボガールとツルギの関係性なんかもしっかり示唆しているのはさすが。脚本の人がシリーズ構成の人なのでそこはしっかり考えてるって事ですね。
 今までの登場しては倒される怪獣オンリー展開とは違い、ゲスト宇宙人であるファントン星人がいい味を出してます。あの怪しげな中国語のような宇宙語や、食前の祈りなどまさにどこかにいそうな異文化って感じが。
 地球の大気で無限大に膨張していく肥大糧食シーピン929(肉!)をメテオールの重力偏向板で飛ばすアイデアもウルトラSFぽくて素敵です。
 そしてこれまでの隊員それぞれの掘り下げエピソードが、いい味を出してきていると思います。補佐官達の憎めない馬鹿っぷりとかはもう無いと寂しいくらいですね(笑)!
 ウルトラマンの能力・感覚をつい使ってしまってどういい繕うか困ってるミライ。パエリアを知らないところを見ると、ミライは食事には保守的なのね。それにしても、ジョージはミライに対して妙に馴れ馴れしいぜ(笑)! 
 それにしても、テッペイの楽しそうな事と言ったら!ファントン星人とのやりとりや、気抜けした態度が似合う事似合う事。テッペイの席の後ろの怪獣ソフビも、多分テッペイが持参したんだろうなぁ。
 今回のシリアスパートを担うリュウとセリザワ元隊長。リュウは「元」とつけず隊長と言う辺り、セリザワに対する尊敬が伺えます。でも、肝心のセリザワはリュウの事など知らない発言を……。まさか、本人はもう死んでいる、というオチだったり!?
 さぁ! 今回のメインと言えるのは何と言ってもコノミでしょうか。さらっとミライに嬉しい事を言ったりして、
これが少女マンガだったら(もちろん主人公はミライ)とっくにフラグが立ってるぞ(フラグ言うな)!
 以下箇条書き。

  • 翻訳機

メビウス』世界には宇宙語の翻訳機があるようで。どうもこれ、初代『ウルトラマン』の特捜隊メンバーが作った翻訳機だそうです。昭和時代に宇宙語翻訳機を製作って……凄いな特捜隊! 特捜隊の技術は世界一ィィィィィイッ(これが言いたかっただけ)!!

  • 宇宙人トラウマ

実は今後の展開を考えると注目しておくべき問題のように感じるのがこれ。かつての怪獣頻出期に登場した宇宙人はそのほとんどが侵略者。そのトラウマもあって、宇宙人=侵略者という図式が成り立ってるようです(そりゃ、メフィラス星人なんてガチで地球を獲りに来てたもんなぁ)。ウルトラマンも一応宇宙人なのですが、あくまで別格扱いなのか。もしもこの感情とミライ=ウルトラマンである事が分かったら魔女狩りのような思いエピソードになりそうで怖い。

  • 操作反応。

シーピン929を捜索に出た隊員に対する市民の反応がしっかり押さえられているのが好感触。バイクで移動のマリナ、囲まれるジョージ、そして子どもにナメられるコノミw

  • ボガール

食料を狙って宇宙船も壊しちゃったボガール。シーピン929が駄目なら今度はメビウスと、どこまでも食べる事が最優先のボガール。それにしても、戦闘シーンで主題歌かかるので倒しちゃうのかと心配した(苦笑)。

市街地での戦闘。ツルギの光線技が市街地を破壊した事に対して怒りを露にするメビウス。一応、メビウスもビル壊したし、それを不可抗力と言うならツルギも同じなので責められない事ではありますが。これで改めてメビウスが「守る」と言う事に本腰を入れる一つのポイント、なのかな。


 次回はマケット怪獣再び。エレキングがちっさくなっちゃった……って、まさかそれはピカチュウを意識してッ!?