クリス・ウッディング『魔物を狩る少年』
読書マラソン三十五冊目。
- 作者: クリスウッディング,Chris Wooding,渡辺庸子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/08
- メディア: 文庫
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詳しいストーリーは公式ページを見てもらえるといいんですが、ウィッチハンター(魔女狩りじゃなくて魔物狩りの方)の主人公が記憶を失くしたヒロインを保護した所で、秘密結社の陰謀に巻き込まれる……と言ったベタすぎるほどベタなストーリー。文章も巧いし、本来の歴史からちょっとズレた感じの世界観も好感触。ハンターである主人公達が、魔物に対して圧倒的な優位を誇ってないのもよかったです。ヘルシングとか女神転生シリーズみたいに、魔物・人間の間に共通した攻撃パターンが通用しないのがいかにもハンティングっぽい所とか。
でも、逆に言うとスピード感がいまいちなので、そういうのが好きな人にはオススメできないかもしれません。「シィィィィィッ!!!」とか言いながらアンデルセン神父が銃剣両手に大虐殺とか、「お祈りはすませたか?(以下略)」とウォルター執事がワイヤー張り巡らせて圧倒的実力差を見せつけたりはしないので。
後、ラスボスっていうか秘密結社が信奉している邪神が、妙にクトゥルーっぽかったです。全体的にどっかジャパニメーションっぽさを漂わせているように感じたのですが、著者は『天空のエスカフローネ』とか『風の谷のナウシカ』とかが好きだそうです。あ、何か納得。