アン・マキャフリー『だれも猫には気づかない』

 読書マラソン15冊目。7月に入るまでにもう5冊読みたい。

だれも猫には気づかない (創元推理文庫)

だれも猫には気づかない (創元推理文庫)

 前回の『歌う船』を読んですっかりアン・マキャフリーに魅了されて、読みやすそうな中編作品を選んで読んでみました。『歌う船』に比べれば、比較的どの本屋でも手に入れやすかった1冊です。
 先見の明を備えた摂政が国のために講じたとっておきの秘策、それが摂政の飼い猫ニフィ。彼女(♀です)が重要文書の承認や、何と主人である領主の妃候補との仲を取り持ったり、敏腕っぷりを発揮するストーリー。
 しかしこういう『三毛猫ホームズ』シリーズみたいに頭のいい猫ってのは、どうして皆♀なんでしょうか? みんな女の子(違)に幻想持ちすぎだよ! とか思ってもみたんですが、やっぱりこういう人間以上に頭がよくて知恵の回る猫というのは、♀の方がいいですよね。だって、お腹とか撫でてたらもうスベスベで(ry
 話を戻して。
 ストーリーは軽妙で、読みやすいです。中盤はニフィの出番が無くてちょっと寂しいですが、後半では色々大活躍してくれます。
 それにしても、タイトルは『猫は誰にも気づかない』とありますが、誰も気がつかないわけ無いだろうという大活躍。しかし、その実超然としたニフィが何を考えているのか誰もが分からない、言い得て妙なタイトルだと思うのです。