文字・活字文化振興法案(骨子案)

 ネットを流離っていたら、こんなものを発見しました。議員のひだ美代子さんが起草したという奴で、3月31日の超党派の活字議員連盟総会で今回国会に提出することも了承されたそうです。その目的は、

この法律は、文字・活字文化が、よりよい人間関係を創造する基盤であり、人類が永い歴史のなかで蓄積してきた思想・芸術・科学・知識・知恵の継承と発展、活力ある民主主義社会の実現に欠くことのできないものであることにかんがみ、文字・活字文化の振興に関する基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文字・活字文化の振興に関する必要な事項を定めることにより、文字・活字文化の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって知的な国民生活と文化の薫り高い社会の形成に寄与することを目的とする。

 だ、そうです。これだけ見れば大いに立派で、むしろもっとやってくれよと思う所なのですが、この法案の<出版活動への支援>という所に少し疑問が残ります。それは、

国は、学術的価値を有する出版物の普及を図るため、必要な施策を講ずるものとする。

 と、言う所。この『学術的の価値を有する出版物』ってのは、ようするに学術書って事なんでしょう。しかしこの学術書を普及しても、文学・活字文化の振興に寄与するものなのか? どう考えても学術書を普及させるより、別の本(例えば文庫やミステリーみたいなの)を普及させた方がよっぽど文学・活字文化の振興になるような気がするんですが。この法案は学術書以外の本は『学術的に価値が無い』って言いたいんでしょうか。いえ、ある意味というか実にその通りだと思う所もあるんですが、裏にあんまり出版部数の多くない学術書をもっと出版させろと、大学関係から圧力でもかかったのかと邪推してしまいたくなります。
 まぁ、要は学術書以外の出版物も忘れないでね、って事で。