高柳和江『死に方のコツ』

 

死に方のコツ (小学館文庫)

死に方のコツ (小学館文庫)

読書マラソン十一冊目。
 とりあえず、簡単な自殺の方法書いてある類の本じゃありません(俺も勘違いしてましたが)。主にガンになり、余命告知されたら、その余命をどう有意義に使っていくか。そのために、医師には何をしてもらえるのか。自分はどう受容するのか。どう余命を使っていくのか。延命治療を続けるか。そういう事に焦点を当てた、ポジティブな意味合いが強い1冊です。
 この本の最初は、こういう一文で始まります。

人は、なぜ死を怖がるのだろう?

 人間は死ぬのは当たり前、何を怖がる事があろう。とこの本では書かれてますが、俺は正直死ぬのが怖いです。まだ幼稚園だか小学校低学年の頃に、満月を見上げて「死」について考えてたら、体ががくがく震えてやたらと怖くて仕方がありませんでした。それは大学生になった今でも、あんまり変わってません。それはやっぱり、現在社会での「死」という概念の過剰なタブー視や、「死」に触れる機会が減少したという事もあるかもしれませんが、個人的には、死んだ後に自分がいなくなる、なくなる。その後自分がどうなるか分からないからだと思います。それで1つの答え(になるかどうかは自分でも分かりませんが)この本に書いてました。それは、

死んだあと自分の心や意識が行く場所を自分で決めてしまうことだ。

 これを読んだ時、思わず大きくうなずきましたよ。あぁ、そうか、そんな考え方もあるんだなぁ、と。別に、キリスト教や仏教や創価学会(これ違ッ)の世話にならなくても、自分で自分の行く場所を決めてしまってもいいんだなぁ、と。
 じゃぁ自分がどこに行くのかというと、ちょっと決めかねるところもあります。愛する貴女のところへ、とでも言いたい所なんですが、そんな人もいませんし。
 ま、家族や友達の後ろをふらふら憑いていくとしますか、とストーカーみたいな事を思ったりもする6月の夜。うーん、ちょっとだけメランコリックな気分でした。おしまい。