アン・マキャフリー『歌う船』
読書マラソン9冊目。
まだ10冊にもなってない……。orz このペースじゃ100冊読めない……。まぁ、頑張りましょ。とりあえず。
- 作者: アン・マキャフリー,酒匂真理子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1984/01/27
- メディア: 文庫
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この世に生まれ出でた彼女の頭脳は申し分ないものだった。ところが身体の方は機械の助けなしには生きていけない状態だった。そこで<中央諸世界>は彼女を金属の殻の中に封じ込め、宇宙船の身体をあたえた。優秀なサイボーグ船の誕生……それでも、嘆き、悦び、愛し、歌う、彼女はやっぱり女の子なのだ。乙女の心とチタニウムの身体を持つ宇宙船の活躍を描く、傑作オムニバス長編。
一言で言うとあっまーいっ! お笑い芸人のスピードワゴンのネタ並みに甘いよ。SFがこんなに甘くていいのか!? と思わずツッコミを入れたくなるほど甘い1冊。
主人公にして宇宙船の頭脳であるヘルヴァには、筋肉(ブローン)という相棒が付く事になっているのですが、相棒との関係性がこの甘さの最大原因なんでしょう。もちろん、それだけではなく、相棒との別れもあります。実は、この相棒と別れてしまうシーンでは密かに泣きました。
筆力も強く、読者をぐいぐいと物語に引き込んでくれる魅力があります。ヒューゴー賞をとったというのもうなずけます。
魅力的なキャラはやっぱりヘルヴァですが、一番好きというか、微笑ましいキャラはナイアル・パロランという男。普段はヘルヴァに散々悪口言ってるくせに、本当は物凄くヘルヴァを愛してるという、小学生みたいなこいつが可愛くて仕方がありません。(笑)こういう奴が一番おいしいのは、今も昔も変わらないんだなぁ。
結末もハッピーエンドで、安心して読める1冊です。続編もあるようなので、探して読みたいです。