原作/瑳川竜 漫画/栗原仁『ウルトラマン超闘士激伝(4)』

ウルトラマン超闘士激伝 4巻

ウルトラマン超闘士激伝 4巻

 復刊された『ウルトラマン超闘士激伝』シリーズ、単行本未収録分も含めついに完結!
 ゴーデス編のクライマックスに次いで、エンペラ星人編も収録されているぶ厚い一冊。
 以下感想。

ピッコロ王子

 ハズレー(笑)! 
 そんなピッコロ王子だが、邪悪な気配を探知する能力と中途半端な攻撃力。そしてそれを的確に痛い場所に叩きつける戦闘能力(?)で、何だか凄い活躍を見せてくれた。
 ブラックピジョンとのコンビがやたらイイ(笑)。
 持ち前の邪悪探知能力は、スカウターの代わりとして、あっという間にゴーデスを端役にしてしまった。

魔神の復活だー!

 ゴーデスがエネルギーを集めていたのは、魔神コダラーを復活させるためだった。まさにブウ編のような展開であったが、そういうエネルギーを集めて何かを復活させようとする悪役の悲しさかな。復活させたコダラーに吹っ飛ばされ、ウルトラ戦士に助けられ、付き合ってられるかとすたこらさっさと逃げ出そうとした所に、コダラーに呼応して復活したシラリーの絶命光線を食らって死亡。
 ……あれ? 最初に登場した時の、あの悪魔的なインパクトはどこに……(笑)?

魔神達の戦い

 圧倒的な力を誇る魔神コダラーから仲間達が逃げる時間を稼ぐため、超闘士になり戦う闘士マン!
 その圧倒的な能力は、仲間である80から、

「なんて人だ! よく戦えるなあんなヤツとっ!!」

 同じくジョーニアスから、

「ど・・どちらが魔神だかわからん!!」

 とまで言われる始末。ちょwwwお前ら酷いなwww
 こんな闘士マンだって、中身は意外と傷つきやすいヤツなんだぞっ!

復活! 鋼魔四天王

 すっかりデレたメフィラスの命令、では無く依頼を受けて、鋼魔四天王が大復活!
 新必殺技をひっさげて登場するのも相手がコダラーとシラリーってちょっど酷くない? とばかりに、まったく必殺技の見せ場が無いのが悲しい。
 しかし、彼らの活躍でウルトラ戦士達が命を拾い、二体の魔神の同士討ち、と言うアイディアにつながったのだから、相当オイシイ役どころだったと思う。

登場! ササランズ

 そうそう、いたよね、ヤメタランスとササヒラー(笑)。
 昔『ボンボン』で読んでいた時、突然現れて「何こいつら?」と思った思ったw いや、面白いんだけれども。「何こいつら?」と思い続けていたけれども。
 相打ちの果て、融合してしまった魔神達ともう一度戦う為の狂言回し的なキャラだったのかなあ……。
 ちなみに、ヤメタランスが意外と強いのはそう驚く事では無いと思う。だって、アイツ一応闘士だし。単なる武装宇宙人とは一線を画すよ!?

究極魔神シーダ

 互いに互いを卵に戻す力を持つ両者が相打ち状態のままその力を使ってしまった為に誕生した究極魔神。
 シラリーとコダラーが融合した……と言うか、ええっと、これは、今で言う所のスーパーリンク? トランスフォーマー的な(笑)?
 上下で分割してそのまま行動可能だとか、超絶的な再生能力を備えるだとか、色々な意味で、まさに究極を体現したような怪獣だった。しかしこんなのが出てしまったら、つくづくゴーデスの存在意義が……(苦笑)。

ウルトラキー

 ああっ! ウルトラの父ゾフィー兄さんになってしまったっ(どういう意味だこんちくしょう)!

エンペラ星人編

 エンペラ星人と、その部下の軍団との「戦争」を描いたシリーズ。しかし、途中で綺麗に打ち切り状態で終わっていて、当時の悔しさと言うか、驚きを思い出した。
 昔の少年誌には結構あった事だが、この終わりは無いよなあ……(涙)。

幻のOVA

 ゴーデス編とエンペラ星人編の間のエピソードが、OVA化されたツイフォン編。
 ツイフォンとの戦いを描いたエピソードだが、この戦いでメフィラスが死亡すると言う大事件が起こっている。この死が闘士マンやタロウに大きな影響を当然与えているのだが、こんな重要エピソードを、漫画では無くOVAでやるって当時の出版業界は凄いな、おい。

ウルトラマンネオスウルトラセブン21、ザム星人

 知名度ネタはらめええええええええええええええっっっ!!!

エンペラ星人

 ………………………………誰(ヲイコラチョットマテ)? 
ウルトラマンメビウス』で登場したエンペラ星人とは似ても似つかぬ姿で登場。どうやら、当時、この姿こそ公式だったらしいが記憶が無い(ヲイ)。 
 いや、当時『激伝』をリアルタイムで読んでいた自分としては、『メビウス』で登場したエンペラ星人をこそ、「誰?」と聞かねばならぬのか……。

輝け!! ウルトラマン!!! ぼくらの星たちよ!!!

 そんなわけで、『ウルトラマン超闘士激伝』全巻感想達成!
 忘れかけていた当時の記憶を思い出し、非常に懐かしい気持ちになれたシリーズだった。そんな懐古の気持ちだけではなく、意外と現在進行形で続くシリーズとも共通点を見付ける事が出来たのも楽しかった。と言うか「ウルトラマンに鎧を装着」だとか、組織化した敵だとか、現在より先んじて登場したアイディアも多かった。
 これは『激伝』が時代を先取りしていたと言う事なのか、はたまた早過ぎたと言う事だったのか。
 とにかく、読んでいて、非常に燃えて、わくわくできるシリーズだった。ありがとう『ウルトラマン超闘士激伝』! まさにぼくらの星!