アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士/外伝(1) 竜の夜明け(下)』

『パーンの竜騎士』外伝シリーズ『竜の夜明け』の下巻。
 糸胞に対し対策を打つものの、機械技術を封印して極力自然な生活を送ろうとしていたパーン入植者達は常に糸胞に対しジリ貧な状況。
 さらに離反者が出るは死者は出るは物資は足りないは火山は噴火するはと次々と困難が降りかかる。
 そんな中、ついに遺伝子改造された竜が惑星パーンの空を飛翔。糸胞との長い長い戦いの、最初の一戦が始まるのだった。 
 次々と降りかかる困難の中、最後の最後で飛翔する竜が惑星パーン入植者達の希望をつなぐ! と言う展開がおいしすぎる下巻。
 一番最初に竜の原種となった小竜を見つけたショーンとソルカが夫婦となり、互いに竜騎士(この時代は竜騎手)となり、惑星パーンの未来を切り拓いていく、と言う展開は、正伝/ジュブナイル版含む全三巻構成を上下巻でやってしまったような贅沢さすら感じさせる。
 惑星パーン黎明期篇。ファンとしては是非押さえておきたい一作だっただけに、読む事が出来て嬉しい限り。古本屋さん、ありがとう!