浅井ラボ『されど罪人は竜と踊る(5) Hard Days & Nights』
- 作者: 浅井ラボ,宮城
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/02/19
- メディア: 文庫
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スニーカー文庫で発売された短編集に加筆修正を加え、さらに書き下ろし二篇を加えた最新刊。改めて読むと、短編でも救いがないなぁ(そんな感想かよ)。
しかし今でも思うが、され竜のベストエピソードは他でも無く「禁じられた数字」だと思う。とどのつまりはジヴの鬼さとガユスの不運さが『され竜』七〇%を占めていると言う事か。
書き下ろし短編は、ガユスが主役の「幸運と不運と」。そしてギギナ主役の「刃の宿業」。
後者がギギナと老剣士の誇りと業を描いたシリアスなエピソードであるのに対し、前者はガユスが偽商品「ウッソクサ石」詐欺に騙されて、石作りの工場でついには石の声が聞こえるのほどのなってしまうと言う、
「え? あなた一応主人公ですよね?」
と訊きたくなるほどの不幸っぷりをさらす怪作。
そんなガユスを元に戻すのは、恋人であるジヴの涙……では無く容赦無い鉄拳なのでした、と言うオチ。相変わらず、そんなジヴが無敵すぎる……!