『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』
大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE メモリアルボックス (初回限定生産) [DVD]
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2010/04/23
- メディア: DVD
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第一感想
俺がウルトラマンだ! ……よしッ(何がだよ)!
『メビウス』から続く流れで昭和シリーズと平成シリーズを統一。その後初めて登場した大きな作品なだけに、非常に力の入った一作だった。
本編を見るだけだったら「何年もかけて培ってきたウルトラを世界規格で統一されてもねえ?」何なんて思ってしまったかもしれないが、特典のブックレットやオーディオコメンタリーを見ていると、スタッフさんが結構好き勝手に、趣味をつぎ込んでやってる事が分かって楽しくなる。
光は絆的な。スタッフや撮影体制が変わっても、変わらず続く何かがあるな、と思わせられた。
以下感想。
メビウス対ベムラー
スタッフさん、やりたかったのかー(笑)!
OPからメビウスにベムラーを戦わせるとか、ほんとやりたい放題w
しかしこの戦いで、全体的にスピーディーで「溜め」の少ない本作の特徴が分かったりも。メビュームシュートは溜めがあった方がかっこい撃ち方なので、最初はやはり違和感も。
それにしても、ココのベムラー、ちょっと強すぎなんじゃないだろうか?
光の国
今回、背景がフルCGで作られた最大の恩恵を受けていると言っても過言では無いのが光の国の描写だった。
あんなピカピカで重力をシカトした世界、三次元では中々作れません……ッ! しっかり足元に姿まで映っている所が、またこだわりを感じさせる。
訓練に明け暮れている大量のウルトラ戦士候補生達が、細かい所までこだわっていてまた楽しい。しかし、こんなたくさんのウルトラ戦士候補生から選抜されたメビウスって、やはり優秀な奴だったんだと改めて実感。地球では、単なる天然さんだったからなあ。
宇宙監獄のウルトラマンベリアル
光の国の住人が見上げる衛星は、ベリアルだけが収容された宇宙監獄。
これを地上から見上げる事で、神の如き超能力を持ったウルトラ一族は、自らの戒めとしているのね、と妄想。
ここにザラブ星人が化けたにせウルトラマンがギガバトルナイザーを持ってやって来るのだが、この辺りは、『ゴーストリバース』からの続き。にしても、序盤であっさりベリアルに殺されてしまったザラブ星人に涙。成仏して、下さいね。
ベリアル、侵攻
宇宙監獄を脱獄したベリアルは、ギガバトルナイザー片手に大暴れ!
タロウを、メビウスを、ヒカリを、その他大勢のウルトラ戦士を、ジャック、ゾフィー、80、ウルトラの父、ウルトラの母……と、とにかく名前のあるのも無いのも十把一絡げ扱い!
ここはとにかくベリアルの圧倒的な強さを魅せるシーンなのだと分かっているものの、とにかくベリアル強すぎる! ベリアルが強すぎて、「光の国、警備体制はそれでいいんかい?」と思わず訊ねたくなってしまう所。
ここのアクションシーンでは、必殺技である光線が技が全然必殺技になってなくて、パンチやキックと言った技のつなぎになっているのが印象に残っている。
「そうか、『ウルトラマン対怪獣』じゃなくて、『ウルトラマン対ウルトラマン』なんだ」
と強く実感した。
光の国、壊滅
ベリアルにプラズマスパークを奪われ、氷に包まれる光の国。
あっという間に氷漬けになり、たちまち氷に包まれる光の国と、凍りついて彫像みたくなったウルトラ戦士達が衝撃的。
だが、ここまで惑星が凍りついてしまったら、もうプラズマスパークを一つ取り戻してどうこうなる状況じゃない気もする……。いや、それは今更かw
ムサシ
ペンドラゴンクルーに通信してくるのは、『コスモス』に登場したムサシ!?
と思ったが、時系列的にいるはずも無いので、顔がそっくりな子孫、と言う所か。全てのウルトラシリーズがつながった、大怪獣バトルの世界観を引き継いでいる、って証明になるキャラクターだった。
ゴモラ対ザラガス
ザラガスって、ゴモラの着ぐるみ改造したヤツwwwww
またスタッフが好き勝手やっちゃって(笑)。ゴモラと激突するたび、胸部の類似に、違う意味でドキドキしたw
この辺りの怪獣バトルはさらにパワーアップしていて、ゴモラのモンスロードからレイとのスケールの違いを強調した映像。さらにゴモラのたくましすぎる尻尾だとか何だとか、とにかく強烈な映像が続く。レイがレイオニクスバトルを制した後だけに、精神的にとても安定しているのも大きいのかもしれない。
ウルトラ一族、誕生秘話
ザラガスと戦い終わったレイの前に現れたのは傷ついたメビウス。メビウスはレイをさらった後(ヲイ)、レイにベリアルを倒すための協力を要請する。
そしてそのために、ウルトラ一族誕生の歴史と、そこで生まれた光の国のレイオニクスにして悪のウルトラマン、ベリアルについて語る。
太陽の消滅と人工太陽の開発。それによる進化……。と、ここまで技術が発達して描かれたウルトラ世界が、内山作品そのものの世界、と言うのが小気味よいと言うか、正しい意味で時代が追いついたと言うか。
ベリアルのレイオニクス化はこれぞまさしくシリアスな笑い。レイブラッド星人、何で体ごとつっこんでんだw
小泉キング
良くも悪くも人間ウルトラマンとなった今回の映画を象徴するキャラクターだと勝手に思っていたり。
ベリアルの声の人が結構上手かっただけに、このキングは……。何だろ、下手、ってほどでも無いんだけど、この妙にふわふわした声のキングは一体(笑)。
ベリアル軍団復活!
怪獣墓場でプラズマスパークの力で怪獣の魂を復活させ、ギガバトルナイザーに収納。百体怪獣軍団を手中に収めたベリアル。
だがその一方で、レイオニクスのシュプレー星人や、ゼットン星人なんかを独自に手下にしているベリアルはほんと抜け目無い。
シャプレー星人には光の国を見張らせて、ゼットン星人にはレイを助けに来そうなペンドラゴンクルーを狙いに行かせるとは、さすが悪に堕ちてもウルトラ戦士。単なる不良じゃありません。
トライガーショット
メビウスがエネルギー節約? 不足? のために変身した人間の姿は、ヒビノミライ。どれほど時が経っても、この姿と名前、と言う所が『メビウス』ファンの自分としては感動。
おまけに、使用する武器はトライガーショットだし! ナイスセレクト!
『ゴーストリバース』以降、メビウスは大きく成長していて、今回もレイに対し説明役を担当する。これまで、メビウスはずっと説明される役だったものなあ。
カプセル怪獣大集合!
レイとミライを襲うシャプレー星人の怪獣軍団、ドラコ、ベムスター、サラマンドラに対し、ダンのカプセル怪獣ウィンダム、アギラ、ミクラスが登場!
カプセル怪獣が三体全集合する画が見られるなんて! と、本気で生きてる事に感謝した。
各カプセル怪獣でちゃんと一体敵を撃破して見せ場があるのもよし! ミクラスがちょっと強すぎるような気もしたが、それはあれだ。レイのネオバトルナイザーで成長したって事でw
ハヤタ、ダン
こちらも人間態で登場。レイとはコチラの姿では初遭遇なので、それに対するフォローがあったのも上手い。
そう言えばちらっと考えたのだが、ウルトラシリーズがこれからも一〇年、二〇年と続いたら、ミライの中の人も年を食っていくのだろうか。いや、言うまい。
本当にどうでもいいが、人間態姿で物凄く強烈だったシーンは、四人が爆発をくるくる回転しながら回避しているシーンだったり。まさか、彼らのこんなシーンを見る事になろうとはw
ベリアル、レイ、ゼロ
この映画の主人公格三人。実はそれぞれ、「正義を持たない危険な力を持つ」と言う共通点を持つ。
ベリアルは言わずもがな、ギガバトルナイザーやプラズマスパークを宇宙一の力を手に入れる、と言う目的のためだけに使っている。
レイもかつて、レイモン(バースト)で、暴走した事が。
そしてゼロも、力に憧れ、プラズマスパークをベリアルと同じように求めた。
ベリアルとレイ、ゼロを分けたのは、周囲の人間の愛や助けを受け入れたかどうかだろう。
レイ、ゼロはペンドラゴンクルーやセブン、レオと言った人々の助けがあった。しかしベリアルは、それが無かった。昔のウルトラの父や母とは仲が良かったみたいだが、ベリアル自身がそれを裏切ってしまった。
エンターテインメント色の強い作品だが、主人公格のこういった設定によって、深みのある作品になったと思う。特にゼロなんか、これが無かったら本気で単なるカンフル剤になっていただけだっだような気すらしてしまう。
アスカ登場
レイをメビウスに誘拐されて困っているペンドラゴンクルーの元に現れたのは、ナースとゼットン星人!
正直、「光の国に行く手段が無いんだからほっとけばいいのに」と思ったが(ヲイコラ)、邪魔者はきっちり排除しておく、ベリアルの抜け目の無さが発揮されたシーン、と好意的に解釈。
ゼットン星人に侵入されて大ピンチのペンドラゴンクルーの前に現れたのは、オリジナルのアスカ・シン!
ファインプレーでゼットン星人を撃破した後(素手で……!)、ダイナになってナースをあっという間に斬り裂き、ペンドラゴンと共に怪獣墓場へと向かうのだった。
ムサシと違って、何と言うオイシイ役どころ……! こういうキャラクターは、アスカには似合っているなあ。
怪獣墓場のバトルロイヤル
タロウが守った最後の光を継いだマン、セブン、メビウス、そしてレイ達は、プラズマスパークを取り戻すため怪獣墓場のベリアルの元へ。
ベリアルのモンスロードした大怪獣軍団(とか言いつつ、宇宙人とロボットもあり)と、壮絶なバトルロイヤルがスタート!
マン、セブン、メビウス、ゴモラはもとより、レイもレイモンになって戦闘する、と言う画が壮絶。
ペンドラゴンクルーの絆
ベリアルによって闘争本能を刺激され、レイオニックバースト状態で暴走するレイモンとゴモラ。
レイモン=レイを助けるため激闘の只中に飛び込むペンドラゴン!
飛び降りるボス(!?)!
駆け付けるクルー!
炸裂するボスパンチッッ!!
ペンドラゴンクルーの絆の熱さに感動すると同時に、ボスの弾けっぷりに大爆笑してしまったシーンだった。ボス、強ぇっ!
不良少年・ウルトラマンゼロ
ピグモンを助けた時の物言いが、どう見ても「雨の中、子犬を拾った不良」です。どうもありがとうございました。
それにしても絵にかいたような不良と言うか、ツンデレさんでお兄さん一安心です(何)。
そう言えば頭のゼロスラッガーも二本ついてるが、アレはあれだ。ツンデレの記号であるツインテールですね、分かります(ヲイコラトットマテ)。
弱き者を慈しむ心をレオ達に認められたゼロ。自分はセブンの息子、と言う衝撃的事実を知り(この事実の追求だけで映画一本作れそう)、テクターギア・ゼロを脱ぎ捨てて怪獣墓場へと向かう!
海外を意識して作られたと言う本作だが、こういう「父と息子」と言う所は特にそういう所を意識させられる。お約束なもので言うと、ルークとベイダーとか。『仮面ライダードラゴンナイト』とか。
ゼロ無双
ウルトラマンゼロ「ゼロ! ウルトランマゼロ! セブンの息子だ!」
満を持しての登場だけに、まさにゼロ無双!
光線で、ゼロスラッガーで、格闘でと、怪獣軍団をばったばったとなぎ倒していく姿はまさに主人公! さすが声の人がせっちゃんなだけあります。そうか、イノベイターがさらに進化したらウルトラマンになるのか(ヲイ)。
さすがレオにがっつり鍛えられただけはある。いや、レオは昔セブンにシゴかれた腹いせをしていただけかも知れないけど(ヲイ)。
レオとアストラが遅れてきたのも、おそらく、そういう理由からだろう(ゼロが速かっただけだよ!)。
百体怪獣ベリュドラ
ゼロが炎の谷にたたき落としたベリアルが、怪獣墓場の亡霊達と合体した巨大怪獣が百体怪獣ベリュドラ。
って、これはもう百体ってレベルじゃねーぞ! 明らかにそれ以上の数が合体してるッ!
昨今の、「最後には巨大怪獣」の流れを汲んだ怪獣だが、その迫力は相当なもの。遠目で見ると悪魔そのもの。近くで見ると皮膚や指を構成している怪獣達がわらわら動いてもう気持ち悪いったらッ。
もはや生理的な嫌悪にまで達した恐るべき怪獣である。しかし、近くによってジロジロ見物したくなる、そんな不思議な魅力を持った怪獣である。フィギュア、買ってしまおうか。
レイオニクスの戦い
脅威の百体怪獣ベリュドラに、反撃の嚆矢となったのは我らがレイ!
ギガバトルナイザーがどれだけ凄くてもバトルナイザー。ネオバトルナイザーで仲介じれうば、レイ自身が怪獣達に影響を与える事が出来るかもしれない!
と言う理屈でギガバトルナイザーに干渉。ベリュドラを構成する怪獣達が反抗し、その動きが止まる!
ウルトラ一族の超能力と、レイブラッド星人の遺伝子を引き継ぐベリアル。ゼロと言う若きウルトラ一族と共に、レイオニクスであるレイが反撃の片翼を担う、と言う燃える展開だった。
最後の一撃
ベリュドラに対し、最後の一撃!
ゼロのゼロツインソードが!
メビウスのバーニングメビュームダイナマイトが!
EXゴモラのEX超震動波が!
スペースペンドラゴンのペダニウムランチャーが!
ダイナのソルジェント光線が!
そして、マンの八つ裂き光輪が!
……って、何でそこだけ八つ裂きー!?
「まだ旅の途中」
戦い終わり、アスカ共々光の国に訪れたペンドラゴンクルー。
これまでの『マックス』や『メビウス』、そして映画では人間が光の国に近づく事を目的としていたが、ついにその目的が物理的な意味で果たされた事になる。
しかし、まだまだその精神的な成長まで果たされたわけではない。ウルトラマン達も人間と同じ精神構造を持っていると判明したからこそ、人間とウルトラマン、両方の精神的成長が描かれていくのだろう。
少なくとも、ウルトラマンサイドにおけるその筆頭は、ゼロなんだろうなあ。
そして、物語は続く?
ゼロとセブンが親子の絆を確かめ合い、元首相……では無く、キングの演説で幕となる、はずだったが、真の終わりはそこではなかった。
ゼロに倒されたはずのベリアルの瞳が再び輝いて……?
まさかのベリアル生存フラグ!! ギガバトルナイザーは無くなったが、確かにこれほどのキャラクターを一回こっきりで終わらせるのはもったいない!
ゼロが主役のDVDも児童誌の付録としてついていくるし、まさかの劇場版第二作が来るフラグ!?
非常に燃えて楽しめた一作だったので、是非第二作目、三作目と続いて言って欲しい所。ゼロ対ベリアル三部作とか、後の歴史で言われちゃおうぜ(笑)!