第23話「唇にLを/シンガーソングライダー」

ストーリー

 歌謡番組フーティック・アイドルの不正を暴いて欲しいとクイーンとエリザベスに依頼された翔太郎。
 最初は乗り気では無かった翔太郎だが、二人に勝ったジミー中田の歌は酷いもので、とても勝ち残れるはずはないと知って捜査を始める。収録現場にやって来た翔太郎とフィリップは、自身も参加者として番組に参加する事になって……。

第一感想

 見ていて辛くなった自分は、もう駄目なのかも知れない(真剣)。
 ジミー中田とか、ジミーのファンのゆきほの生き方だとか、あまりに人生達観している詩人の沢田さんとか見ていると、こうお腹の辺りがきゅーっとしてくるんですけど……。
 ま、それはそれとして以下感想。

フーティック・アイドル

 視聴者参加型番組で、三週勝ちぬくと無条件にCDデビュー出来る、と言う番組。審査員は超豪華で、OPの二人に加え水木アニキ! ゼーッ!?
 と言うか、クイーンとエリザベスが本職じゃないか(笑)。
 しかし、この風都主催のマイナー番組でデビューとかできても……と思わないでもない。風都ってはたしてどの程度の規模の街なのか、今さらながら気になる。まさか東京都みたく、一つの都道府県として地図に掲載されているのだろうか。

ジミー中田

 歌は上手いはずなのに逆に下手。こいつを見ていると、物理法則とかもうどうなってるんだろうと不思議に感じてくる謎のシンガー。
 劇中でも評価が散々で、
「問題児」
「なんてこったー!」
「客は正気だ」
 等等、名言を連発させている所なんかは、二代目霧彦の称号を与えてもいいくらいだ。
 才能が無い、能力不足以前の問題の彼なのだが、精一杯格好つけていても、それが分かっているのは明らかに本人。それをゆきほに指摘されて、解決編で彼がどうするのだろうか。

墨田ゆきほ

 ……名前がプリキュア(ヲイ)?
 ジミー中田の唯一のファンである彼女。しかしファンである理由は、ジミーのためでは無く、彼女自身のため。
 何の楽しみの無い自分をジミーの夢に投影し、ジミーを盛りたてる事だけにすべてを捧げ、ついには体を壊してしまった彼女。
 ジミーに尽くしその結果成功すれば、自分も成功し、人生が充実出来ると思いたがっている。相手=自分に才能が無い事なんて十二分に理解しているからこそ、不正な手段に手を染めてしまう。そうしないと、ジミーの(=自分の)人生は打開できないと考えている。
 なんかこう、見れば見るほど痛々しくなってくるキャラクターだった。

今週のフィリップの検索馬鹿

 審査員のクセを検索し、翔太郎と共に飛び入り参加するフィリップ。って、先週のカラオケは今回の前振りだったのか(笑)。

「僕達は、二人で一人の仮面シンガーだ!」

 嗚呼、また『仮面ライダーW』に新たな迷言が刻まれたw
 それはともかく、二人が歌上手いなヲイ(笑)。しかも、ちゃんとルナトリガーテーマソングと合わせて、仮面の色も黄色と青。

園咲パパの憂鬱

 目的のためなら人の命なんてなんのその、のミュージアムで、その幹部の園咲一家。しかし良くも悪くも「一家」であるため、個人個人の悩みや生活は、普通の家族と変わらない。
 新しい恋に勤しむ冴子。姉がいなくなれば歌謡番組に熱中し、フィリップが出演すればアイドルに夢中になる女の子と変わりない反応を見せる若菜。そして、そんな娘に呆れる園咲パパ。  
 ミュージアム幹部勢が怖くもあり、また同時に憎めない魅力を放っているのは、こんな所から来ているのかも。

電波塔の道化師

 その名もライアー・ドーパント。マネー等のメモリと同様、戦闘能力は低いものの、特殊な能力を持つメモリか。
 その能力は、自分の嘘を針に変え、刺した相手にそれを信じ込ませる、と言うもの、ライダーの能力も誤魔化すのだから、能力自体は大したもの。つまり、あの能力は普通の人間はおろかドーパントにも通用する、と言う事か。
 どうやら風都の都市伝説の一つとして、金と引き替えに仕事を請け負っていたらしい。相変わらず、風都はとんだ怪人シティ(笑)。

「ハートがフルフルするよ」

 等、こいつもまた迷言を飛ばしてくれた。と言うか、こいつ、メモリに見せかけた酢昆布はどこから取りだしたんだw

突き刺さる言葉

 夢を見るのは勝手だが、現実は忘れるな
 そんなキツイ、メッセージが込められた今週のエピソード。

翔太郎「センスねえくせに、かっこばっかつけやがって」
亜樹子「その言葉、言ってて自分に刺さらないの?」

 から始まって、沢田詩人の、
半人前でもいいじゃん
金なくてもいいじゃん
 そしてゆきほの、

「信じられないくらい才能がないんだから!」

 と、突き刺さる言葉の針に見ていて泣きそうになったのはここだけの秘密だ(笑)。沢田詩人は、今後イレギュラーズの兄貴分としてサブレギュラーになるのかな?

VSライアー・ドーパント

 面倒臭いのは暗示能力のみと思いきや、あの掴み所の無い性格と、抜け目無さで意外と面倒臭いライアー。とは言え直接戦闘能力には優れていないようで、さすがにダブルとアクセル二人相手では押されっぱなし。
 と言うか、近接をアクセルが担当して、その後ろからルナトリガーで撃ちっ放しで援護ってそれはどんないぢめだ(苦笑)。

Wのメモリの男

 ついに登場したウェザーメモリを持つ男。その名も町医者・井坂深紅郎。
 何でも無い町医者と思っていたから、その登場にはかなりびっくり。と言うか、この男もまた、風都市民だったのね……。
 ガイアメモリが生んだ、と言うより風都が生んだ怪物、と言う方が個人的にしっくりくるのは、やっぱり風都と言う都市の作りこみがよく出来ているからだろう。って、それってどんな吉良? 
 冴子が狙っている男だが、逆に冴子が殺されそうな予感。『W』って、異性に入れ込んだ方が大抵酷い目にあってるしw

次回は

 井坂と冴子がお医者さんごっこー(ヲイ)!? 霧彦さん、見ちゃダメえええええ!!