夢枕獏『陰陽師 鳳凰ノ巻』

陰陽師 鳳凰ノ巻 (文春文庫)

陰陽師 鳳凰ノ巻 (文春文庫)

 今回も蘆屋道満の魅力溢るる一冊。
「仏に仕えるのも鬼に仕えるのも同じ一生」と坊主をたぶらかしもすれば、清明と方術比べの際には柄にもない正装に照れて見せたりもする。
 清明以上に暗く血なまぐさを漂わせながらも、不思議な愛嬌も併せ持つ。野良猫のような道満に個人的には清明よりも惹かれるものがある。
 もちろん、清明と博雅は鉄板なんですけどね(何の意味だ)!