長谷敏司『円環少女(10) 運命の螺旋』

円環少女』シリーズ第一〇巻。一〇巻では、ついにメイゼルが地球に堕とされた謎が明らかに!
 帯的に言うと、

あたしの秘密初公開なのよ、せんせ(はぁと)

 だそうですw
 以下感想。

メイゼル、ダメ出し二連続

 円環体系世界は、実は螺旋体系世界だった。メイゼルの母親が指摘したこの世界法則を巡り、円環体系世界の高位魔法使いとの死闘、果ては神殺しにまで発展していった事が語られる。
 しかしそれ以上に衝撃的だったのが、メイゼルのダメ出し二連続。
 母親の神殺しの魔法に対してのダメ出しがまず一つ。そして、その次が《雷神》クレペンスに対するダメ出しがまず一つ。
 母親に対してのそれは、魔法使いとはかくも……みたいな悲痛なものがあったが、クレペンスに対しては「基本がなってないんだよ!」(意訳)ってそんな酷いwwww

神前裁判

円環少女』一〇巻の最大の見所と個人的には思われるシーン。
 まだ幼い少女であるメイゼルが、円環体系世界の住人の憎しみや狂気を一身に受け止めて、その上で円環体系世界の発展を促すため憎まれ役を買って出る。
 神様にも認められるドS、メイゼル誕生の瞬間をとくとご覧あれ!

イリーズときずな

 かつて円環体系世界に一人で喧嘩を売り、神を殺したイリーズ。一方、きずなも再演体系の魔法使いとして、槍玉に上げられてしまう。
 その結果、イリーズは死に、きずなは人殺しとなってしまう……。
 最後まで魔法使いらしく強くあれたイリーズと違って、きずなのメンタリティは、まぁ、普通の女子高生と言って差支えは無い。肝心の仁とも微妙な距離が空いたままで……。
 ラスボスは《九位》であると思うが、そこはかとなく、ラスボスがきずなになるような気がする……。

アトランチス人・ハウゼン

 この道化師、とんでも無い事をおおおおお!? 読んでて爆笑するやら困惑するやら、どう反応すればいいのかリアルで分からなかった急展開。
 友情パワーとか、この男が言うととんでもなく嘘臭い。
 舞花を仁の所に帰した事と言い、また何か考えていそうだ。