51st sense.「桜花爛漫!じゃあまたね」

ストーリー

 エスパー解放を目指し勢力を拡大していく兵部率いるパンドラ。一方、薫達も皆本のもと、健やかに成長していた。やがて時は流れ、ついにザ・チルドレンは小学校を卒業する事になる。

第一感想

 アニメ版『絶対可憐チルドレン』最終話!
 最後は原作最初期エピソード+中学生編へのイントロの組み合わせで、凄く綺麗にラストが締めくくられたのが印象に残る。
 第二期があるとしても、原作のストックの関係からしばらくは無いんだろうなぁ。『ハヤテのごとく』みたく、OAVで出るかもしれないが。
 いや、『GS美神』アシュ編とかでも、こっちとしてはオッケーですよ(笑)?
 以下感想。

パンドラ、海外展開

 薫にフラれて傷心旅行(笑)とばかりに、海外に活動の拠点を移す兵部率いるパンドラ。船上パーティーでの兵部はまさに貴公子。育ちの良さと持ち前の性格と相まって、ああいう華やかな場所がよく似合っている。
 パンドラが日本から海外に拠点を移す「つなぎ」めいた印象を受ける船上パーティーだが、最終話にしてサプライズなゲスト出演が二人。それはエピソードが宗教や、テロ絡みで放送できそうになかったエピソードに登場するエスパー・アリと、ゲームのヒロイン・ドリー。
 前者なんて原作では死亡している(しかも兵部が殺している)キャラで、ドリーに至っては一言なのにセリフあり!
 最後に贅沢な事をやってらっしゃる。

トンネルの中で

  • エスパーに生まれたせいでロクな人生を送れなかった」
  • 「幸せになれるエスパーなんてザ・チルドレンのように恵まれたほんの一握りの人間だけ」
  • 「ノーマルに生まれたかった」

 そんな風に自分の人生を嘆くばかりのエスパーを、しかし皆本は一喝する。

  • 「不幸になったのは自分がその不幸を選びとったから」
  • 「それだけの力を持ちながら何を弱音をはいているんだ」
  • 「人間は自分の未来を選び、作り出す事がができる」

と。
 個人的には、前者の犯罪者エスパーの方を支持したい。もって生まれた環境や才能なんて自分では大抵どうしようもないし、変えていくのも難しい。が、正しい事を言っているのは皆本の方で、作品が伝えたい「人間は祝福されている。幸せになれる」と言うテーマにも沿っているんだと思う。むしろそうやって自分で定めた(思い込んでいる)限界を超える事に、カタルシスがあるんだろう。
 犯罪者エスパーの自殺=現実からの逃避をチルドレンが止めたのも、人間の可能性が未来を作るから、決して死んではいけない。そういう事なのだと思ったシーンだった。

エピローグ

 薫達の卒業式+バベル職員+パンドラメンバーのその後(と言うか日常?)をさぷりめんとネタをたっぷり加えてエピローグ。
 相変わらずゲスト声優陣が豪華だぜ……! 『GS美神』ネタとか、しっかり使ってらっしゃるw
 そして個人的に嬉しいのは、腐った(笑)パティが観れた事! あれはアニメでは無いと思っていたので、もう嬉しいのなんのって! 今度は声つきで観てみたいものだ。

総評

 最初にも言ったが、いいアニメだった。一年の長丁場、原作のネタを活かし、なおかつアニメオリジナルの+αを加えてある。ほんと良作だった。
「人間の才能」「未来」「可能性」等と言うポジティブなテーマに、観ている自分がひどくコンプレックスを抱えている事を再確認させられた。問題があるとするならば、そういうコンプレックスを抱えてアニメを観ている自分自身か(苦笑)。
 スタッフ、キャストの皆様、一年間お疲れ様でした!