アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士(2) 竜の探索』

第一感想

『パーンの竜騎士』シリーズ第二作。ほんと、地味〜ぃいぃ……に読み進めて、やっとシリーズ二冊目を読破。
 いや、ほんとボリューム満載で嬉しい悲鳴。
 以下ネタバレ感想。

感想

 一巻で過去から竜騎士を現在へ連れて来る、と言う無茶をやった、そのツケとも言える新旧両竜騎士の対立。
 さらに周期を外れた糸胞の襲来。さらにレサに反感を持ち、なおかつ傲慢な性格の持ち主である他の洞母・キララが、竜の原種とも言える火蜥蜴を権力闘争に利用する事でさらに騒動を拡大する……。
 やはり根っこはSFなれど、そこから広がっていくのはもうどろっどろの人間同士の物語。やれあいつが気に入らない。やれそいつが気に入らないと、ほんともう凄い事になっちゃっている。これを楽しめるか否かが、マキャフリー作品を楽しむ一つの分かれ目だ。
 また、作品的にも大きく進展を見せた第二巻。
 かつての人類が残した技術を利用し、赤ノ星に直接間隙飛行を試みようとした事で、竜による「遠征」が示唆。さらに糸胞を食べる虫の発見で、竜騎士そのものの不要論にまで発展していく。レサの息子・ジャクソムとアルビノである白い竜・ルースの感合の成功など、今後に大きな動きを見せる。
 まだままだ続く『パーンの竜騎士』の世界を、ゆっくりと楽しんでいきたい。