仁木健『リミテッド・ヴァンパイア(2) 髪喰鬼とおおうさぎ』

 仁木健シリーズ最新刊の第二巻。
 色々な「建前」のアンチテーゼ色が強いこの作者の作品だが、今回アンチなのは「ギャルゲー型無力な主人公」。
 何も出来ないけど優しいだけでハーレムを築く主人公を真正面から否定して、パーティーの中の最底辺から努力と根性と「ハーレムを築く」と言う欲情を武器に(笑)つ強さを手に入れていく主人公の奮闘が描かれる。
 恐ろしいのは、そんな主人公にだんだんとヒロインが惹かれ始めている所か。
 いや、本人の努力を鑑みればそれもある意味当然なんだけど、いわゆる「横島型」主人公なだけに、それにもちょっと違和感があるなーと思ってしまったりも(苦笑)。
 とりあえず、そんな主人公の努力と、無敵なウサミミロリ少女の色々な意味での「無敵」っぷりをご堪能下さい。