第24話「地球律」

 ついに人口島二〇周年式典が始まった。波留達は気象分子散布による衝撃波を止めるため、気象分子停止をジェニー・円に説くが彼は聞き入れない。
 説得が不可能だと判断した波留達は、強硬策に打って出るが……。

第一感想。

 とりあえずアユムの「やーってやるぜー!」に吹いたw
 やっぱり確信犯なんだろうなあ。いや、こういうの大好きだからオールオッケーなんだけども。
 以下感想。

人間と環境

 波留達とジェニー・円の話し合いは非常に対照的。
 これまでの経験から、「人間はもっと地球の潜在力を信じるべき」とする波留達に対し、「人間が環境を支配すべき」と信じるジェニー・円。
 二つの対立は、それぞれどちらももっともな説得力を持つだけにどこまでも平行線だ。
 人間が自分の住みやすいように環境を変えていくのは、どの動物でもやっている自然な事だ。しかしその変化に対し、「責任を持って元に戻す」とまで言われればそれには疑問を持たざるを得ない。人間にそこまでの力があるとは思えないからだ。
 結局、人間の力をどの程度信じるか否かで、どちらの意見を支持するかが決まるのだろうなぁ。

ジェニー・円と久島

 久島の意識を捕えているのはジェニー・円だったらしい。だが、彼の物言いを聞くにジェニー・円も何だか哀れだ。
 結局、久島はジェニー・円を支持せず波留に寄って行った。半世紀かけて共にしたプロジェクトがあったとしても、久島の信頼を手に入れる事はできなかった……。そんな悲しみが見えたような気もする。
 ジェニー・円が病的なまでに他人を信用していないのも、久島と言う天才の心を引き寄せる事が出来なかった、と言う事実に起因しているのかも知れない。

信頼と不信の戦い

「分も利も無い」と自らの行いを称したソウタ。しかしその行いには、波留やアユム、ユージン兄弟。ミナモ、タカナミ、ホロン。そして久島。数多くの人々の助けがあった。
 対照的に、どこまでも一人、誰も信じず戦うジェニー・円。
 最終的にはソウタが一対一の戦いでは勝利できたが、気象分子散布を止める事が出来なかった。それは人間の傲慢はどうあっても止めがたい。そんな救いようのない真実を指摘しているようでもある。
 果たして気象分子のもたらす異常を、波留達は止める事が出来るのだろうか。