episode:「URL」

 あるスパムメールに載っているアドレスにアクセスした人間が行方不明になる。そんな噂がネット上で話題になっていた。実際に被害が多発している事態を受け、アンカーも捜査に乗り出す。
 そのスパムメールは、ケイタがアクセスして名状できない不気味なものを感じたものと同じで……?

第一感想

 遅れた『ケータイ捜査官7』感想。今回は夏の定番? 怖い話!
 しかし今回の怖い話は、心霊的なものと違った、また実際的な話で、違う意味で怖かった……。
「何もかも捨てて現実から逃げだしたい」/「君がいなくなると寂しい」そんなメッセージを適切に送受信できなかった結果、どうなるか……。誰もが経験のある感覚だけに、ドキリとさせられるエピソードだった。
 以下感想。

有害サイトブロック携帯セブン

「有害サイトだから」とアクセスを中断するセブンに萌え。と言うかケイタをたしなめる時のちょっと強めな「バディ」って言い方がたまらん……!
「私のバディなんだからそんなサイトにアクセスするんじゃない!」=「私だけを見ていろ!」と言うセブンのメッセージが……キャッ(ヲイ)。

心の送受信

「捜さないで」と言うタイトルのスパムメールのアドレスにアクセスし、行方不明になった人々。彼らは皆一様に職場での人間関係に疲れ、現実から逃げ出したがっていた。
 そんな彼らが行方不明なった後、それを代表するかのように新たなメールが送られてくる。タイトルは「捜すな」。さらに「行方不明になった事で感じた痛み、それがお前達の罪だ」と非難するようなメッセージが送られてくる。
 行方不明者達は、皆辛かった。しかしそんな感情は、彼らにとって周囲の人間には届いていないも同じだったようだ。もしもその痛みこそが罪悪感からくるものならば、その痛みの分どうして自分達を助けてくれなかったのか――そんな抗議めいた感情を感じる。
 だが、それは劇中で語られたように甘えであり、幼稚な現実認識であると言わざるを得ない。自分を救えるのは結局の所自分だけ。現状から逃げ出したとしても、逃げ出した先ですら現実である。それに、他社も行方不明者達を気遣い、心配していると言うのに。そんな認識を持たないで、一方的に相手を非難するのは、まったく幼稚としか言いようがない。
 今回の事件は、互いの気持ちの送受信が適切に為されなかった故の悲劇。そう言えるのかもしれない。

ケイタの叫び

 現実から逃げ出した行方不明者を知ろうとするケイタ。それは、かつてのケイタそのものと言えるだろう。現状から逃避し、富士山を目指していたあの頃と。
 しかし今は滝本の遺志を継ぎ、アンカーに入り、セブンのバディとなった事で、行方不明者を助けられるような、そんな力が自分にあると思えるようになっている。行方不明者達に足りなかったのは、ケイタのこの感情。少しばかりの自足ではないだろうか。
 まるであの世から同類を招くような姿に、ケイタが必死に反論していた姿にじーんと感動。ヘタレながらも、かっちり成長しているのだ。

次回は

 次回は、ケイタ、ぶらり一人旅?