#20「ダイアモンド・クレバス」

 自分の想いをアルトに伝えようとしたランカだったが、目の当たりにしたのはアルトとシェリルの二人だった。そんなランカの悲しみに呼応するように第二形態のバジュラがアイランド1に大量発生し、船内は俄かに戦場へと姿を変えるのだった。

第一感想

 これ本当に全二五話!?
 明らかにR2とかシーズン2とかやっていいくらいの密度なんですけど……!
 さすがは「恋と友情と惑星の運命が交差する、超銀河ラブストーリー」。そんな圧倒的な密度に負けないように以下感想!

バジュラ大量発生

 告白しようと思ったら、アルトはすでにシェリルと……。
 そんな衝撃的な光景を目にして、思わず「死んじゃいたい」とすら思ってしまうランカ。その感情に呼応するかの如く、第二形態バジュラが大量発生! アイランド1はたちまちランカ達を巻き込んだ凄惨な戦場と化す。
 この辺り、ランカはバジュラに影響を及ぼす「リトル・クイーン」であっても、コントロールまでは不可能、と言う事を示唆している。ランカのマイナス感情を察知して、その原因となっている他人を排除している(?)のだが、それが新たなストレスになっている事を理解していないからだ。まぁ、それが「リトル」と呼ばれる所以なのかも知れないが……。
 一一年前の事故との関係性も示唆され、そしてランカも記憶を取り戻しつつある。もしも一一年前の事故の原因がランカにあったとすれば(グレイスが何かやってそうだが)、また色々な意味で大変な事になりそうではある。
 ランカがバジュラの本当の「クイーン」になって、そのままアルトと別れる……とか、ちょっとBAD ENDな予感だ。

レオンの誤算

 大統領狙撃が失敗してちょっと動揺するレオンに萌えた。いや、そうじゃないんだけど!
 狙撃が失敗してもなお、混乱を利用し、自ら前線に出てまで事を進めようとするレオンだが、殺した場所がマズイ気がする。大統領とその身内しかしらない場所で殺したと言う事は、畢竟、犯人の特定もしやすいわけで……。果たしてレオンの野心、成就なるか?

希望の歌姫、絶望の歌姫

 バジュラに影響を与え、人々に希望をもたらした歌姫、ランカ。そしてシェリルは、自身の命も危うい状態で、戦場の絶望の中に立つ歌姫となる。
「希望」と言いながらも、アルトのために歌うのではなく、不特定多数の「誰か」のために歌う事を強要される。感情レベルは当然マイナス。歌はそんな感情をただ撒き散らすだけ。
 対してシェリルは「絶望」の中、件のフォールド・クォーツのイヤリングをつけ、例え命に代えてでも。そんな覚悟を持って一人歌ってみせる。シェリルの復活――と言いたいが、結局、病気は体を蝕み続けていて、文字通り命を削っている状態にある。二人とも、ある意味で崖っぷちな歌姫だ。
 しかし、そんな彼女達が歌う姿には、アイドルだとか何だとか、そういうものを超えた何かを感じさせる。ああもう、いいよもうアルトなんて! 「女一匹マクロスF」的に、二人がアルトをフって終わるってのはどうでしょう(ヲイィ)?

恋をするのは命がけ

 今週はクランが、そしてミハエルの二人が熱かった。
「こんな時だから」こそ、はぐらかされ続けたミハエルへの想いを伝えるクラン。「死ぬのが怖くて恋ができるかー!」とはまさに至言だ。だが、本当に怖いのは自分ではなく愛する人の死。マイクローンからゼントランへの過程にあるクランを守るため、ミハエルはバジュラに体を貫かれ死亡してしまう!
 まさか、ここでミハエルが……! 最後の最後で「愛してる」は反則です。いやもうほんと反則。EDの『ダイヤモンド・クレバス』と相まって、ほんとにもう反則。何かもう、この感情を壊したくないためにラジオを聞けなくなるかも知れない(笑)。

次回は

 膝を抱えるクランが……(涙)!