岡田麿里 藤咲あゆな 浦畑達彦 吉田玲子『ARIA 四季の風の贈り物』

小説ARIA ?四季の風の贈り物? (MAG-Garden NOVELS)

小説ARIA ?四季の風の贈り物? (MAG-Garden NOVELS)

ARIA』シリーズノベライズ第二弾。
 アニメシリーズの脚本家による、春夏秋冬それぞれの季節にあわせた短編集。『ARIA』シリーズらしく、四季の美しさとそこに生きる人間の姿を描いた珠玉の短編ぞろい。
 以下感想。

 火星に憧れた灯里とは逆に、地球に憧れる青年を描いたエピソード。春は旅立ちの季節……旅立ちの期待や寂しさの大きさが描かれる。

 藍華とアルの微妙に進展しない恋を描いたエピソード。相変わらずこの二人は甘酸っぱいナァ……。アリシアさんの水着が登場ですよ! きゃっほう!……ほんと、どこにも結婚フラグなんて立ってないのに(笑)。

 両手袋から片手袋になるための希望の丘への試験の試験管となったアテナと両手袋の姿を描いたエピソード。火星観光業界の花形・水先案内人。しかしその中でも輝かしい部分ばかりではなく、暗く影を落とす部分もある。
 そんな影の部分を描いて、暗いエピソードになる――と思いきや、アテナのどんな時でも、希望は持ち続ける、と言うメッセージがその影を照らす大きな要素になっている。

 アリシアさんの友人が火星に喫茶店を開くエピソード。アリシアさんはやはり昔から無敵超人で、その友人がアリシアさんに頼りっきりではいけない――と彼女の助けを拒否。本編の、灯里の独り立ちにも通じる要素。
 生クリームのせココアの由来が語られる。