#15「ロスト・ピース」

 バジュラとの戦いで大きな被害を受けたフロンティア。シェリルも入院したものの体調が戻らず、グレイスに仕事を全てキャンセルされてしまう。ランカの人気がますます上がっている事を知り、不安を感じていた。そんな時、病室にアルトと、そしてランカがお見舞いに現れる。
 その裏では、グレイス達の思惑が交差していた。

第一感想

 グレイスが思いっきり悪役だよ!
 グレイスと、彼女の持つ複数の人格(と言うか、グレイスもその一つ?)との会話でこれまでを振り返る総集編であったが、内容は濃かった。

  • グレイス達の陰謀のこれまでとこれから。
  • レオンも暗躍。
  • オズマとキャシーが事態の解明に動き出す。
  • クランの「あーん」(何?)。
  • アルト、ランカ、シェリルのトライアングラーが本格的に動き出す。

 等等、後半に向けてさらなるダッシュの姿勢を取ったような、そんな印象を受けた。
 以下感想。

腹黒17歳教祖グレイス

 複数の人格との会話。「夢」のための計画。これまでを振り返り、さらに陰謀を重ねていく……。そんな腹黒17歳教祖グレイス(違!)が、今週何事も無かったようにシェリルの前に現れていて盛大に吹いたwww
 何で生きてる!? と思ったら「たまたまた通りがかったギャラクシーのパイロット(ブレラ)に助けてもらった」で通したらしい。言い訳が強引過ぎるぞ、グレイス! でも普通信じちゃうよなぁ。まさか一マネージャーが惑星四分の一くらい削りとるなんて誰も思わないし。シェリルははぐれアイドル人情派だし。
 シェリルの血液を入れ替えたり、どこまでも黒いグレイス。これまではシェリルを擁立していたものの、ランカの能力が目覚めた事で完全にランカへ切り替えていく事にしたらしい。仕事を入れていないのも、見捨てるための布石か。
 まったく、これだから17歳は……え、あ、ちょっとあんた達だr(以下略)。

グレイス達の夢

 裏からシェリルを操作し、バジュラを誘導し、フロンティアのバジュラへの憎しみを煽り立ててきたグレイス達。その目的は「プロトカルチャー五〇万年でも成し遂げられなかった夢のため」であるらしい。
 ゼントラーディや人類、フォールド航法などを作り、銀河の頂点に立ったプロトカルチャー。今作『マクロスF』でそんなプロトカルチャーが成し遂げられなかったものとして挙げられているのはフォールド航法だ。
 フォールド断層の有無で移動できたりできなかったり。プロトカルチャーもこれをどうにかする事ができなかった。
 ルカの父親の会社L.A.Iが作った新型フォールド機関。そもバジュラ母艦は断層を無視していたりと、「宇宙の距離」を縮める設定を散見する事ができる。
 最終的にグレイス達は、宇宙(と言うかバジュラ同士を)をインターネットのようにつないで「一つにする」事が目的なのかも知れない。
「宇宙は二つの種族が住めるほど広くない」と言っていたが、それはあくまで種族の別無く「個人の視点」からによるもので、宇宙は依然として広大だ。
 それもバジュラのように作られた生体兵器とそれをコントロールするのが少数の貴族階級であれば摩擦も少なくてすむ。
 そしてそのためのファクターがシェリルやランカの持つ歌=フォールドストリングス(フォールド空間自体を使って情報を伝達する能力?)であったのだろう
 メガロード級がグレイスの故郷である、と言われた事からグレイスもバジュラである事が示唆されているし……。あれ? それってつまりは「目指せバジュラだけの世界!」って事か?

勃発!トライアングラー戦争

 ランカとシェリル。それぞれ何の後ろ盾も無く、見ている人間はアルトと、恋敵だけ。互いに歌いながらアルトに接近していき、当のアルトはオロオロするばかり。
 ええっと、フランス映画か何かであった、こういうの。三〇分間、男と女がひたすら無言で踊り続けるだけ。でも最初はお互いを探りあっていて、最後には滅茶苦茶密着して踊っている。恋愛をダンスに喩えた映画だったが、今回の二人もこれに近いものがある。
 とどのつまりは、これ、何て求愛(笑)?
 しかし、アルトのヘタレっぷりがまたもう……。ここで「俺はどちらも選ぶぜ!」みたいな事言ったら言ったで殴りたくなるんだろうが(笑)。ランカとシェリルが意識しあって張り合っているのに、その及び腰はないだろwwwww

三人それぞれの困難

 ストーリーも後半戦に向けて、アルト、ランカ、シェリルにはそれぞれの困難が待ち受ける。

アルト

 S.M.S,のオーナーに呼び出し。政府も信用できない状況下で、政府とのつながりもあるS.M.Sのオーナーが何を言い出してくるのか。それにしても、鉄道模型(模型?)とかメイドさんとか、オーナーのゼントラーディはちょっとカルチャーしすぎなんじゃないだろうか。

ランカ

 レオンの下で、政府のスペシャル・チームのサポートを受ける事に。ランカの歌がバジュラに有効だから――と言う理屈は分かるが、リーダーがグレイス。王子様がブレラってあからさまに怪しすぎるwwww
 それにしても、政府公認でランカの歌を兵器にするって……それはどこの『マクロス7』だw

シェリ

 言っちゃなんだが落ち目である。グレイスも彼女を捨て、移ろいやすい民衆の人気はランカへ移っていく。そんな状況で、シェリルが再起できるのか? と言うのがポイントか。まぁその分、アルトと接する時間が増えるのはいい事かも知れないが、あの姫、ランカの事ばっかりだしなぁ……。

次回は

 ランカが主役なんだろうけど、妙に可愛いシェリルに吹いた。一体に彼女に何が!?