第15話「食」

 久島が届けた脳餓死の事故調査報告書に、その原因に小湊沙織の遺した企業、ネオブレイン社の託体ベッドにある可能性が示唆されていた。波留は脳餓死の調査のため、被害者が参加していたメタル・コミュニティ美食倶楽部に潜入する。

第一感想

 美食倶楽部と聞いてとっさに、「このあらいを作ったのは誰だぁ!!」とか何とか叫んだ男を連想した自分はもはや病気だと思う(笑)。
 以下感想。

脳餓死

 メタルでの美食体験が過ぎて、その結果、現実に適応できなくなった結果起こった脳餓死現象。
 今回のこの事件に、さりげなくあの小湊沙織が関わっている所を示唆している所が憎い。決して大声で主張してこそいないが、久島が波留の所に持ち込んでくる、他の何よりも重要度の高い依頼である事が伺える。

本物/偽者の食材

 メタルと現実の境は非常に曖昧であり、これまでもそれは表現されてきた。だが結局、メタルは偽りで現実こそが本物であったはずだった。
 しかし人工島では、野菜すら合成の工場生産のものばかり。そしてたまの天然ものがピーマンばかり(笑)と言うのが何とも言えない皮肉。現実であっても、むしろ本物と変わりない偽者があふれているのが現状か。

自分にも止められない美食の追及

 メタル・コミュニティ美食倶楽部。現実と変わりない美味をいくらでも追求できるメタルの中で、どこまでも美食を追求する男達。料理だけならまだしも、料理が生まれた環境を再現するその姿勢は、もう美食を追及する求道者とか何とか言う以前に異常だ。
 見ている分には非常に滑稽で笑えるのだが、よくよく考えてみるとあれは怖い。どこまでも怖い。その結果、単なる水にすら拒否反応を示すほど、鋭敏な味覚を手にしてしまい、現実に適応できなくなってしまった。
「吐いてでも美食を追及するため食べた」と言うが、その結果がこれではあまりにも無残だ。
 毎日何気なく食べる食事は大切だが、それにも限度がある。追求しすぎる事は往々にして悲劇を生む、そんな見本のような事件だったのかも知れない。
 それが最後に、ミナモのピーマン撲滅作戦の結果につながっていくのは可愛いものだがw  

次回は

 ミナモ対ソウタ、再び?!