吉村夜『サイレント・ラヴァーズⅢ 作戦名<大蛇>』

 そろそろ読書感想のストックも無くなって来たなぁ……。
 ところで昨日は七夕でした。すっかり忘れていたので、一日遅れで七夕っぽい歌詞↑をセレクトしてみた。
 ぼそぼそと以下感想。

ストーリー

 連合軍とカイオン軍の戦いの行く末を決める作戦<大蛇>。その切り札となる秘密兵器・荷電粒子砲の運搬を務める事になったアンタレスらクロスナイフ小隊。しかしその前に立ち塞がるのは、アンタレスの内部の電脳空間にダウンロードされたカスミの恋人シデン。
 さらに、ヒバナがアンタレスの内部にダウンロードされたのが恋人セツナである事を知ってしまい、部隊から脱走してしまう。

ヒバナ脱走

 今回最大の見所は、やはりアンタレス=セツナとヒバナ。セツナの魂がアンタレスにダウンロードされたと疑いを持ってしまい、部隊から脱走してしまう。追いついたアンタレスは、ヒバナのために優しい嘘をついてその疑いを消す。しかし、結局一時凌ぎで、問題は何も解決していない。戦争が終わるのは嬉しいが、これからの事はどうすればいいのか――というアンタレスの懊悩。
 VG用ギターを演奏し始め、新しい生き方を意識し始めた矢先の出来事なだけに辛い所。しかも今回の作戦事態が、本人たちにも知らされていなかった偽者を運ぶ、つまり囮として使われ、喪わなくてもいい、殺さなくてもいい命を奪いと、やりきれなさは増す。
 そんなアンタレスヒバナにさらなる衝撃展開。何とアンタレスにダウンロードされたはずのセツナ本人から手紙が。しかも本人が愛に来ると。
 一体どう言う事なのか、もうどうにも判らない展開に。次巻でラストと言う所に、お得意の過酷な展開の予感を感じさせる。

次回は

 アンタレス内部の魂の城では、カスミがシデンを救うために暴走。しかも最終的に、シデンさえも魂の城に来てしまう事に。愛は素晴らしいとは言いながら、恋人を救うために暴走するのが最大の不安要素。前巻のジャクラが消されてしまったように、二人もあっさり消されてしまうような気がする……。
 カイオンの本拠地となる場所の地下には旧文明の施設が眠っている、とも明らかになり、またセツナとのコンタクトも可能になったので、いよいよクライマックスと言ったところか。