三雲岳斗『アスラクライン(9) KLEIN Re-MIX』
- 作者: 三雲岳斗,和狸ナオ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/12/10
- メディア: 文庫
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今回の『アスラクライン』は、雑誌に掲載された短編にさらにプラスした内容になっている。
以下感想。
夏目ともは
今回の主役は、彼女!……ではなく彼。実は智春が女装した姿! その美貌は、男までも魅了する、まさにハイスペックガールへと生まれ変わる。これほどまでに女装を華麗にこなす主人公を人は見た事があるだろうか? 否、無い!……かもしれない。もちろん、本人は本意ではないがw
ストーリー
智春がともはとして、数々の騒動に立ち向かっていく、と言うか仕方なく巻き込まれていく短編。
それぞれ、ともは+第一生徒会→第二生徒会→第三生徒会→佐伯妹と移行した上で、最後にストーリーのメインストリームである操緒の姉・環緒へと合流していく。
以下、それぞれの感想。
砲弾
智春、初女装で佐伯兄とお見合いをするの巻。
その上、見事に佐伯兄のハートをゲットする事に成功! 将来の、佐伯のお義姉様候補にまで上り詰める記念すべきエピソードだ。ちなみに、砲弾はお見合いをした料亭に飛んでくる(笑)。
キャンペーン
智春、女装してウェイトレスのバイトをするの巻。
借金で首が回らなくなった智春が、朱里さんの紹介で際どい衣装が売りのレストランで働く事に。ここでも、男共のハートをゲットする事に成功するw
しかし、同じくウェイトレスだったひかりにはすべてお見通し。天然ドジっ娘でも、こういう勘は鋭いのだ。女は怖い。
ストーキング
智春、女装して荽の彼女のフリをするの巻。
荽につきまとうストーカーを退治するために囮となって一緒に登下校する智春。しかしともはとしての美貌は、同性(この場合、女性)の嫉妬すら誘発する。まったく、ともはの魅力は恐ろしい。しかもそのストーカーの正体が……という事になり、あわや智春、女装趣味の倒錯少年に(とは言ってもほぼ認定)。
チェリー
智春、洞窟で佐伯と二人きりの巻。
ツンデレ少女・佐伯とまさかともはとして二人っきりになる事になろうとは。そして彼女のデレの部分と言うか、普段の想いがぽろっとこぼれる。単純にデレで片付けられない魅力だ。そして、ともは=智春と正体がバレてしまう(笑)。ここまできたら、バレない方がおかしいが。
このエピソードでの何よりの見所は、智春の身代わりとして登場したロボハル! その煮え切らない態度はまさに智春で吹いたwwwww
特別収録『アスラクラインP(ポータブル)』ずっとキミだけを見ていた
幽霊になっても想っている。
なんて陳腐な言葉だが、それが綺麗にすとんと収まる話。智春がどれだけモテれば気が済むのだ、と言う話だが、それそれ。綺麗に終わった結末とオチの爽やかさ(笑)もあって、短編として完成度の高い一作だ。
次巻
ついに、一巡目の世界の謎が明らかになるようだ。時間軸はクリスマス。そろそろ、本作もクライマックスが近い、か?