#03「オン・ユア・マークス」

 展望公園で出会ったアルト、ランカ、シェリルの三人。しかし三人の上空にバジュラが迫り、とっさに三人は避難壕に逃げ込む。しかし、三人は閉じ込められたばかりか、内部の酸素は一五分足らずで尽きてしまう事が判り……。

第一感想。

 エ、エロッ(最悪だ)!
 シェリルのぽろりとかレオンとキャシーとか、第1話、第2話の十代の爽やかなプラトニック路線が俄かに肉体的に生々しい方向にっ!
 って、真っ先にそういう感想が出てくるって、どうだろ(最低です)?
 以下感想。

アルトとランカの選ぶ道

 父親と家からバルキキリーパイロットに逃げ、再びS.M.Sへ逃げ込もうとするアルト。父親や家、そしてパイロットとしてはミハエルに及ばず、常にアルトは二の次、三の次のような存在だった。ランカはバジュラの襲撃で家族を失い、そのショックで記憶を失ってしまった。唯一覚えている「歌」も、誰かに聞いてもらえなくても、それでいいと思っていた。
 しかし二人は、それぞれシェリルをきっかけに自分の戦う事、歌う事にかける意味を見出していく。それはやっぱり、自分自身の「存在」アイデンティティとも呼べるものだったのではないだろうか。
「家」「父親」/「何者でもない」。
 そんな個人を消す記号から逃れ一個人として独立するために。アルトはS.M.Sのパイロットとして、ランカは歌手として、それぞれ新たな一歩を踏み出し始める。 

シェリルという星

 アルト、ランカに大きな影響を与えるのがシェリル。

  • 「自分の運命を他人が握っているのは落ち着かない」
  • 「幸運と言われても、それに見合う努力をして運命を掴み取ってきた」

 そう言い切れる強さと、真空状態の外へ出て行こうとする行動力には、その眩しさで目がつぶれん限り。本人は決して「生まれついて」とか「才能」とか口にしていない。そうなろうとする意思と、掴み取ったものに対しての強い責任感。
 この「努力の人」と感じさせる彼女のキャラクターが、ランカにサービスしたくなった理由だったりするのだろうか。コメントでも意見をもらったが、シェリルにも「普通の女の子」時代があった、と言う事なのかもしれない。
 それでも、今はアルトには「余裕の無い男」とかマイナス方面で、ランカには「滅多にしないサービスをしてあげてもいいファン」と、上から見下ろす目線である事は否定できない。それは彼女の努力と結果から見れば当然だが、そのシェリルがこれから二人をどう見直すのか。そして二人は精神的にシェリルと同じ位置に上っていくのか、と言うのがこれからか。

次回は

 第1話〜第3話までかけて決意を新たに一歩踏み出したアルトとランカに試練が訪れる。
 それにしても、ミス・マクロスってもはや伝統行事だなー。